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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 週刊 経団連タイムス 2019年6月27日 No.3413 「同一労働同一賃金セミナー」を大阪で開催 -働き方改革リレーセミナー

経団連は6月6日、働き方改革リレーセミナーの一環として、大阪市内で「同一労働同一賃金セミナー」を開催し、企業の人事労務担当者を中心に、約150名が参加した。

セミナー前半では、厚生労働省雇用環境・均等局の松永久有期・短時間労働課長が登壇し、「同一労働同一賃金に係る法改正及び関係省令・指針事項について」をテーマに講演した。また、後半では、「同一労働同一賃金に係る法改正の実務対応」と題し、中山・男澤法律事務所の高仲幸雄弁護士(経営法曹会議所属)が講演を行った。

■ 法改正及び関係省令・指針事項(松永氏)

松永氏は、「今回の法改正の目的は、同一企業内における正社員と非正規社員との不合理な待遇差をなくし、多様で柔軟な働き方を選択できるようにすることである」と説明。「改正のポイントは、パートタイム労働者、有期雇用労働者、派遣労働者について、(1)同一企業内において正社員との不合理な待遇差を禁止し、(2)労働者に対する待遇に関する説明義務を強化し、(3)行政ADRを整備することである。総合職、限定正社員など異なる正社員間の待遇差はこの法律の対象とならない。パート・有期雇用法の施行時期は2020年4月1日(中小事業主は21年4月1日)、改正派遣法の施行日は20年4月1日である」と述べ、省令・指針の主な内容を解説した。

不合理な待遇差の解消にあたっては、労使の合意なく正社員の待遇を引き下げることは望ましい対応とはいえないこと、定年後継続雇用された者であることのみをもって、直ちに待遇差が不合理ではないと認められるものではない(同一労働同一賃金ガイドライン)ことに言及した。また、事業主は、パートタイム労働者等から求めがあったときは、労働者に対する待遇に関する説明義務を負い、方法としては資料を活用し、口頭により説明することを基本とする等の解説を行い、最後に円滑な施行に向けた厚生労働省の支援策について紹介した。

■ 法改正の実務対応(高仲氏)

高仲氏は、「同一労働同一賃金に関する法改正後も改正前の裁判例の判断枠組みは適用される。企業において一番負担が大きいのは、正規・非正規社員の待遇差の説明であろう。同一労働同一賃金に関する規制に違反した場合、罰則はないが損害賠償を請求される可能性がある」として、「今後、企業は、正社員には正社員らしい仕事、非正規社員には担当させない業務も意識すべきである」と述べた。

そのうえで、待遇差については、年収ベースで判断するのではなく、待遇ごとに判断し、賞与について差を設け、長期雇用か否かをその理由とする場合は、無期転換社員の取り扱いに注意すべきであると指摘。退職金の不支給が不合理とされたメトロコマース事件の裁判例があるが疑問であるとの見解を示した。

また、職務内容と人材活用の仕組みが同じであった定年後再雇用社員の待遇差が「均衡」待遇違反として争われた長澤運輸事件のようなケースでは、今後は「均等」待遇違反も想定した対応が必要であると指摘。正社員の手当を減額することで待遇差をなくす方法は、就業規則の不利益変更の問題が生じるので、代償措置や経過措置も検討すべきであると述べた。

【労働法制本部】

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