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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2019年9月12日 No.3422 中西会長記者会見

経団連の中西宏明会長は9月9日、東京・大手町の経団連会館で記者会見を行った。

中西会長は、米中摩擦の激化や日韓関係の悪化、Brexitをめぐる動向など、世界情勢が極めて不安定ななか、日本が力強い経済成長を続け、明るい未来社会の創造をリードする必要があるとして、(1)Society 5.0の実現(2)経済構造改革(3)電力システム改革(4)民間外交の推進――に重点的に取り組んでいくと述べた。

そのうえで、米中摩擦の影響で積極的な投資を躊躇する動きも出始めて、実需もそれを反映しており、来年にかけて状況はさらに厳しくなるとの見通しを示した一方、日本経済には大きな落ち込みはなく、産業構造の変化に備えての投資は堅調だとの認識を示した。

エネルギー政策に関しては、省エネの進展などで電力市場が縮小するなかで新たな投資が必要とされるところに難しさがあると指摘。再生可能エネルギーの導入拡大に向けた送電線整備、蓄電池の普及、分散型需給モデルへの移行などを実現するための投資を回収できる仕組みが構築されていないことを挙げ、必要な投資が促進されるよう、政府と連携しながら議論を加速していきたいと述べた。

地方創生については、経団連ではここ数年さまざまな取り組みを進め、成果も表れ始めているものの、人口減少を背景とする地方の疲弊はこれらが実を結ぶよりも速いスピードで進んでいると指摘。地方創生に特効薬はなく、農業や観光などの活性化によって各地域が魅力と活力に溢れ、多くの人を引きつけ、地方が活況を呈するかたちにしたいと述べた。また、デジタルトランスフォーメーションに対応したサプライチェーンの再構築は、日本全土を視野に入れたものであるとして、地方の実情を踏まえた取り組みの必要性に言及した。

経営労働政策特別委員会(経労委)については、最近は雇用や働き方のあり方など、労働者と経営者に共通するテーマを議論する場になっていると説明。働きがいのある職場づくりに向けて経労委報告でメッセージを打ち出したいとした。

日韓関係については、歴史問題に加え、現下の朝鮮半島における不安定な政治状況もあり、大変難しいとの認識を示した。日韓の経済界はビジネスを通じて良好な関係を維持しているとして、これが両国関係の改善につながっていくことに期待を示した。

Brexitをめぐっては、合意なき離脱のリスクが高まっていると指摘。日本企業がグローバルな事業展開を行ううえで、英国は極めて重要な国であり、離脱後の新しい経済構造を英国がどのようにつくっていくのか注視していくと述べた。

【広報本部】

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