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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2019年9月26日 No.3424 サチ・コソボ大統領との懇談会を開催 -優秀な若い人材が多く、潜在力があるコソボへの投資を期待

サチ大統領(左)と越智副会長

経団連のヨーロッパ地域委員会(越智仁委員長、佐藤義雄委員長)は9月12日、東京・大手町の経団連会館でコソボのハシム・サチ大統領との懇談会を開催した。今年は日本とコソボの外交関係樹立10周年にあたり、二国間関係の発展に向けて来日したサチ大統領は、同国の魅力を紹介して日本企業による投資を求めた。サチ大統領の発言の概要は次のとおり。

コソボは2008年に独立した新しく若い国であり、大きな潜在力を有している。自由で開かれた経済を目指し、投資環境の整備を進めている。世界銀行の18年版「ビジネス環境ランキング」でコソボは40位になった。日本企業には、ヨーロッパやバルカン地域における拠点としてコソボを活用してほしい。

コソボでは戦略的投資について政府が直接交渉して決定するので、外国企業は安心して投資ができる。すでに米国企業向けの工業団地があり、今後は日本企業にも同様の工業団地を整備したい。コソボの人口増加率は高く、平均年齢は27歳であり、ヨーロッパの中で一番若い国である。労働力は優秀で、人件費は安い。

日本企業による投資の可能性がある産業としては、鉱業、エネルギー、観光、農業、ICTなどが挙げられる。多くの近隣国との連携も進めており、例えば観光分野ではモンテネグロ、アルバニア、北マケドニア、ブルガリアと協力している。セルビアとは人と物品の自由な移動ができる取り決めを締結したが、まだ関係の改善を進める必要がある。

15年11月にはEU加盟の準備段階として安定化・連合協定を締結し、EU市場において存在感を発揮できる。法制度はEUの基準に従っており、コソボがEU加盟を目指すなかで、国内産業を保護する税制を段階的に撤廃する。

10月2日にウィーンで在オーストリア日本国大使館が主催する「日本コソボビジネスセミナー」が開催される。日本企業にコソボのビジネスを宣伝し、連携を強化したい。

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意見交換では、同席した小井沼紀芳駐オーストリア特命全権大使兼コソボ共和国日本国特命全権大使が、来年1月にコソボの首都プリシュティナに駐在官事務所を開設することを紹介した。

【国際経済本部】

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