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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2019年10月10日 No.3426 「日本人の価値観・消費行動の変化」 ― 野村総研「生活者1万人アンケート」からみた生活者の変化を聞く/生活サービス委員会企画部会

経団連は9月24日、東京・大手町の経団連会館で生活サービス委員会企画部会(河本宏子部会長)を開催した。5月に公表した報告書「Society 5.0時代におけるユニバーサル社会の実現に向けて―官民の活動報告書」5月16日号既報)を機に同委員会ユニバーサル社会部会と統合した同部会では、当面、消費拡大を図るうえで重要な消費者サイド・サプライサイドの動向の把握に努めることとしている。野村総合研究所の日戸浩之上席コンサルタントから、日本人の価値観・消費行動の変化について説明を聞くとともに懇談した。日戸氏の説明の概要は次のとおり。

野村総合研究所では1997年から継続的に「生活者1万人アンケート」を行っており、2018年の最新の調査結果では2点の大きな変化がみられた。第1は、家族観について、家族間でもお互いに干渉しない「背中合わせの家族」と呼ぶべき結果が得られたこと、第2は、情報利用行動に関して、家族内の個人志向とスマートフォンの普及が拡大し、情報端末利用の個人化が一層進展していることである。

次に、調査対象者(18年現在15~79歳)を「団塊の世代」(同68~72歳)、「バブル世代」(同48~58歳)、「さとり世代」(同24~35歳)など7つの世代に分けて、世代別に特徴やチャネルの利用状況等を分析した。その結果、例えば、「団塊の世代」はコンビニの使用用途を限定しているため、コンビニの利用頻度が他の世代に比べ伸びていない一方、近年コンビニが惣菜の販売にシフトしつつあることを受け、共働き世帯が多い「団塊ジュニア世代」(同43~47歳)ではコンビニの利用頻度が増えているという結果を得た。また、1日のインターネット利用時間が平均4時間に及ぶ「デジタルネーティブ世代」(同15~23歳)では、少額かつ高頻度のインターネットショッピングが顕著で、ネットチャネルの「コンビニ化」がみられる。

この世代別分析から今後の消費動向を展望すると、人間関係や価値観の変化がマーケティングに与える影響として、主に次の3点が考えられる。1つ目は「時間」をめぐる市場の拡大である。女性の社会進出や健康に不安を抱える高齢者が増えるなかで、購入の際に安さよりも利便性を重視する「利便性消費」が増えていくだろう。2つ目は「こだわり消費」の拡大である。ネット上のコミュニティー空間で同じ嗜好性の人々と濃密な情報交換を重ねると、関心事への「こだわり」が強くなっていく。特にネット通販がこだわり消費を強めている。3つ目は外部とのつながりの拡大が、コト消費やシェアリングエコノミーの基盤になり得ることである。他者とさまざまにつながることにより、さまざまな体験を提供・共有するコト消費につながる可能性がある。

【産業政策本部】

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