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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2019年11月14日 No.3431 中西会長記者会見

経団連の中西宏明会長は11月11日、東京・大手町の経団連会館で記者会見を行った。

中西会長は、日本経済は堅調に推移していると述べる一方、先行きが不透明であることに懸念を表明し、来年度に向け、経済成長につながる投資促進策を講じる必要があるとの認識を示した。

安倍政権については、日本の競争力が強化され、安定的な政権運営が日本の存在感を高めていると評価。ポピュリズムが蔓延する世界にあって、短期的な経済効果を求めることなく、経済基盤、社会構造の変化を踏まえた成長につながる政策を立案・遂行することに期待を示した。

気候変動対策については、世界規模での異常ともいえる気候変動を受け、国際社会で2050年ゼロエミッションの実現という高いハードルに注目が集まりつつあると指摘。相当な決意をもって取り組みを強化していく必要があると述べた。

高齢者の就労促進に関しては、ジョブ型の働き方が増えれば年齢は関係なくなると指摘。個人差が大きい高齢者には一律の対応よりも、働く意欲や社会で活躍したいというニーズに応じて働ける場を提供するよう、民間での工夫を進めることが重要との考えを示した。

日韓関係をめぐっては、政治・外交状況にかかわらず民間交流を進め、相互信頼・理解を深めるべきと一貫して主張し実践してきたと説明。両国企業のサプライチェーンが分断されるようなことは避けなければならないと述べた。また、徴用工問題については国と国の話であり、民間資金を募ることには違和感を覚えると述べた。

医療制度改革をめぐっては、現状のままでは国民皆保険制度が崩壊しかねないと危機感を表明。受診時定額負担の導入や後期高齢者医療の窓口負担2割の継続などのアイデアを提示していることに言及した。一方、医療界はまず医療全体の姿を議論すべきとしており、方向性は同じだが、具体的な考えでは一致していないとの認識を示した。

新技術への投資については、急速なデジタル化のなかグローバル競争に生き残っていける産業・企業をどう育てていくかという視点でとらえているとしたうえで、変化の速度と従来にないコンペティターの台頭に、経営者の多くは強い危機感を抱いていると指摘。従来の設備投資のみならず、人材育成や研究開発、新技術への投資、スタートアップとの連携など、投資の形態や方向性は多種多様に変化しており、こうした対応をエンカレッジするための制度設計をリードしていくとした。

なお、全世代型社会保障検討会議の議事録に関して、「財源の問題もあるので、慎重に検討した方がよい」との主張は記載されており、改ざんされたとは受け止めていないと主張。在職老齢年金の支給縮減を止めれば、一定以上の収入がある高齢者にさらに手厚くなるため慎重に検討する必要があると、発言の意図を説明した。

【広報本部】

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