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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2019年12月12日 No.3435 民間公益活動の基盤強化に資する休眠預金活用制度について意見交換 -経団連1%クラブ

経団連1%クラブ(山ノ川実夏座長、岩﨑三枝子座長)は11月20日、日本民間公益活動連携機構(JANPIA、ジャンピア)の鈴木均事務局次長を招き、東京・大手町の経団連会館で会合を開催した。JANPIAの事業に関する考え方や活動の評価スキームについて説明を聞くとともに、企業との連携可能性等について意見交換を行った。

経団連は、休眠預金を社会課題解決等の民間公益活動の支援に充てる「休眠預金活用制度」導入に際し、経済界を含むオールジャパン体制で制度を運営すべきとの考えから、各セクターの協力を得てJANPIAの設立を支援。JANPIAは今年1月、民間公益活動促進業務を行う「指定活用団体」に指定された。説明の概要は次のとおり。

■ 鈴木次長説明

説明する鈴木氏

年間700億円発生するといわれる休眠預金のうち、当面は30~40億円が公益活動に充てられることになっている。休眠預金活用制度ではこれを原資に、国や自治体では対応困難な社会課題の解決に取り組む民間公益活動を支援するとともに、担い手育成や資金調達環境整備など活動の基盤強化を行う。

課題の解決手法に着目して「草の根活動支援」「新規企画支援」「ソーシャルビジネス形成支援」「災害支援」の4種類の助成を設けた。助成を行う資金分配団体を通じて、来年3月までを目途に実際に活動を行う実行団体を選考する。

基盤強化の観点では、資金分配団体の基盤強化に資する「プログラム・オフィサー」を確保・育成し、彼らの人件費や活動費を給付することで、実行団体に対する伴走型支援を行いやすくする。これらを通じ、日本の民間公益活動組織にプログラム・オフィサーが定着することを目指したい。

また、活動の財源は預金という国民の資産であることから、事業の透明性や説明責任を十分に果たす必要がある。そのため、事業成果を可視化すべく、助成先に社会的インパクト評価を求めていく。JANPIAでは今年7月に評価指針を策定・公表したが、われわれが行ったアンケートでは約7割の団体が評価自体を行っていないことがわかった。評価は活動の信頼性をアピールする材料となり、新しい資金の獲得につながるので、団体の基盤強化に欠かせないものだ。休眠預金制度を契機に、民間公益活動組織に社会的インパクト評価の仕組みを根付かせたい。

JANPIAが指定活用団体に指定された際に、多様な主体と協力・連携することを条件に課せられた。SDGs(持続可能な開発目標)達成に積極的に取り組む企業は、連携を通じてSDGs達成に資する新事業を生み出せるかもしれない。ほかにも、社会的インパクト評価に関する知見や、信頼性と組織基盤に優れた団体との接点を得ることができる。休眠預金活用制度は、企業の社会貢献活動を戦略的なものに発展させる梃子になると思うので、ぜひ参画してほしい。

【SDGs本部】

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