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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2020年8月27日 No.3465 内閣サイバーセキュリティセンターにおけるサイバーセキュリティ政策の動向を聴く -サイバーセキュリティ委員会サイバーセキュリティ強化ワーキング・グループ

経団連は7月13日、サイバーセキュリティ委員会サイバーセキュリティ強化ワーキング・グループ(梶浦敏範主査)をオンラインで開催し、内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)の上田光幸内閣参事官から、サイバーセキュリティ政策の動向に関する説明を聴くとともに意見交換を行った。概要は次のとおり。

■ サイバーセキュリティ人材を取り巻く環境

従来の日本における情報サービス産業はユーザー企業の一部機能を補完するものであり、IT人材を社内に確保している場合が多い欧米とは異なる発展を遂げてきた。サイバーセキュリティの重要性の高まりに伴い、サイバーセキュリティ人材の不足は顕著となっており、IT関連企業はもとより、ユーザー企業での人材不足が深刻となっている。例えば、2019年に策定された政府のAI戦略では、初等・中等教育におけるリテラシー教育、高等教育における応用力の習得、エキスパートを対象とした環境整備と、対象を分けて人材育成目標を掲げており、サイバーセキュリティに関しても、このような動向を機として議論を活性化する必要があるだろう。

■ サイバーセキュリティ人材育成のエコシステム

政府では、サイバーセキュリティ人材の確保・育成・活躍の促進実現に向け、「DX with Cybersecurity(以下単に“Security”)」という考えに基づき環境整備を進めている。「DX with Security」とは、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進と同時にサイバーセキュリティ確保を推進していくことで好循環を生み出すことである。各企業でのDX推進により、サイバーセキュリティ人材の価値が高まり、次世代に魅力的な労働環境が整うことで、人材の流入が起きる好循環が生まれることを期待している。

■ 今後検討を深めるべき政策課題

今後「DX with Security」を推進していくうえでの主な政策課題として、(1)サイバーセキュリティ確保のための新たな開発・監視・対処体制の構築(2)DXを推進する際に必要な「プラス・セキュリティ」(知識を補充できる環境・人材育成)の推進(3)サイバーセキュリティ人材の活躍促進に向けた人材の流動性および人材マッチング機会の促進――の3点が挙げられる。次の「サイバーセキュリティ戦略」に向け、これらの課題について検討を深めていきたい。

◇◇◇

意見交換では、「DX with Security」の考えのもと、サイバーセキュリティを投資ととらえ、官民一体でDXとサイバーセキュリティの両立を進めるべきであるという意見があった。また、限られた社内リソースをいかに配分し、「DX with Security」を進めていくかといった点についても議論した。

【産業技術本部】

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