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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2020年11月19日 No.3476 非常事態下での経済活動の維持・早期復旧に向けた企業の施策を聴く -社会基盤強化委員会企画部会

説明する月森氏(右)と西浦氏(左)

経団連は10月29日、社会基盤強化委員会企画部会(大知久一部会長)をオンラインで開催した。新型コロナウイルスの感染拡大の防止と社会経済活動の両立が課題となっている一方、企業は、昨今、激甚化する自然災害の発生に際して、従業員の安全確保を図りつつ、事業の維持や早期再開を目指した対策をとることが求められている。そこで、日立製作所と東日本旅客鉄道から、各社におけるBCP(事業継続計画)やサプライチェーンの見直し、働き方改革などの施策について説明を聴いた。概要は次のとおり。

■ 日立製作所(月森博基リスクマネジメント本部リスクマネジメント部担当部長)

日立は、1990年の第一次湾岸戦争を契機にリスク対策専門部署を設置した。現在のリスクマネジメント部のミッションとしては、リスク対応のための(1)体制構築(2)情報収集・調査と提供(3)ガイドラインやBCP策定(4)社内の教育・訓練(5)ツール・備品の整備――がある。こうしたミッションを遂行するための根底にある考え方が「S(Safety、安全)≫Q(Quality、品質)>D(Delivery、納期)>C(Cost、コスト)」であり、これは「取り返しがつく/つかない」の順である。昨年の台風への対応の経験から、地震を想定して策定されていたBCPを風水害にも対応できるように見直した。現在の課題はグローバル化で、さまざまなルールやガイドラインを明文化し、全世界の拠点にも広げていくことである。

■ 東日本旅客鉄道(西浦広仲総務・法務戦略部リスクマネジメントユニットリーダー〈危機管理室長〉)

新型コロナの感染拡大防止については車内換気や混雑緩和等を行っており、こうした取り組みへのお客さまの理解を深めることが喫緊の課題である。社内においてもテレワークの推進や指令・信号所を含めて感染対策を進めることで、安全に事業活動を継続できるように取り組んでいる。また、台風による新幹線車両センターの浸水被害等の経験を踏まえ、事業の維持と早期復旧に向けた対策も強化している。テロ対策などさまざまな場面を想定してBCPをブラッシュアップしている。非鉄道業務の拡大とあわせて、従前、企業価値の向上を目指して社員の創造力と生産性の向上を図ってきたが、コロナ禍でその流れが一気に加速した。引き続き働き方改革を推進していく。

【ソーシャル・コミュニケーション本部】

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