経団連の消費者政策委員会企画部会(青木秀子部会長)は12月14日、オンライン会合を開催し、ニッセイ基礎研究所の久我尚子主任研究員から、「ウィズコロナ・ポストコロナの消費者像~“ポスト巣ごもり消費”をデータで読み解く」をテーマに講演を聴き、サービスのデジタル化や今後の展望、働き方の変容や地域差、ウィズコロナにおける消費と今後の見通し等について、活発な意見交換を行った。講演の概要は次のとおり。
新型コロナウイルスにより消費行動が変化している。旅行、レジャー、外食などの外出型消費が落ち込み、家の中での生活を充実する「巣ごもり消費」が増加している。また、ネットショッピングやキャッシュレス決済などの利用が増加し、在宅勤務(テレワーク)も浸透するなど、消費行動や働き方のデジタルシフトが加速している。さらに、社会や暮らしが変わることで、生活や家庭を重視する志向が高まるなど価値観の変容もみられる。
特別定額給付金やGo Toキャンペーンなど政府の新型コロナ対策については、生活支援、地域の事業者の需要喚起などに一定の役割を果たした。
消費動向では、買い物手段のデジタルシフトや中食需要の増加、一部の移動手段のセルフシフト、サービスの非接触志向の高まりや、巣ごもり生活によりデジタル娯楽の活性化やメディア接触の増加などがみられる。さらに、コロナ禍を機に、モノを買って生産者を支援するなどの「応援消費」にも盛り上がりがある。
また、在宅勤務やオンライン会議は6月と9月で同水準を維持しており、働き方の変容が進んでいる。これに伴い、通勤時間が浮いたほか、一部で地方居住への関心も高まっている。
こうした働き方の多様化は、介護と仕事の両立、多様な人材の活躍や男性の育休取得推進などポジティブな影響につながる。
【ソーシャル・コミュニケーション本部】