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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2022年2月10日 No.3532 関西会員懇談会を開催

経団連は1月19日、大阪市内で「関西会員懇談会」を開催した。十倉雅和会長をはじめ古賀信行審議員会議長、副会長らが出席し、関西地区の会員企業からオンラインでの視聴も含め約360名が参加した。「サステイナブルな資本主義で持続可能な未来社会の確立を」を基本テーマに意見交換した。

開会にあたり、十倉会長は、「ポストコロナを見据え、持続可能で活力ある経済社会の実現を進めていかなければならない」と述べ、「岸田政権とも連携しながら、政府と力を合わせて、グリーントランスフォーメーション(GX)やデジタルトランスフォーメーション(DX)をはじめとする内外の重要政策課題に真っ向から取り組んでいく」との決意を表明した。また、3年後に迫った大阪・関西万博については、「博覧会協会の会長としても、全国的な機運醸成に取り組んでいる」とし、「関西経済界と力を合わせて成功に向けて努力していく」と強調した。

■ テーマ1「関西経済の活性化に向けて」

「関西経済の活性化に向けて」をテーマとする懇談では、日本生命保険の古市健副会長から、関西のベンチャーエコシステムについて、また、積水ハウスの堀内容介副会長から、関西の魅力向上に向けた取り組みについて、それぞれ発言があった。
これに対して、経団連から、

  1. (1)スタートアップエコシステムのさらなる強化に向け、スタートアップと大企業とのマッチングの継続的な実施、人材の流動化や金融・税制による支援等の環境整備に努めている(太田純副会長)
  2. (2)「地域協創アクションプログラム」に基づき、あらゆるパートナーと連携して重層的な取り組みを各地で展開する。その内容も今後さらに拡充していきたい(隅修三副会長)
  3. (3)大阪・関西万博の成功に向けた全国的な機運醸成には、政府・地元自治体・経済界の総力を結集することが不可欠である。関係団体と連携しながら開催準備に全力を挙げていく(古賀審議員会議長)
  4. (4)世界経済を再び成長軌道に戻すために、自由で開かれた貿易・投資を推進する。あわせて、経済安全保障の確保が急務なことから、企業として適切な輸出管理に対応していく必要がある(中村邦晴副会長)

――との発言があった。

■ テーマ2「産業競争力強化に向けて」

続いて、「産業競争力強化に向けて」をテーマとする懇談では、川崎重工業の金花芳則会長から、脱炭素社会の実現に向けた水素の活用について、また、三洋化成工業の安藤孝夫会長から、人材の多様化を通じたイノベーションについて、それぞれ発言があった。
これに対して、経団連から、

  1. (1)経済界による主体的な取り組みと、「グリーンイノベーション基金」をはじめとする政府の政策リソースを総動員し、GXを官民一体で進めていきたい(杉森務副会長)
  2. (2)2022年版経営労働政策特別委員会報告では、ポストコロナに向けて労使で共に取り組み、持続的成長を目指していくことの重要性を強調している。同報告を参考とした建設的な労使交渉を期待する(大橋徹二副会長)
  3. (3)ダイバーシティ&インクルージョンは成長戦略の重要な柱の一つである。各社の取り組みをサポートするため、企業の事例集を公表したほか、セミナーや人材育成プログラムを積極的に実施している(片野坂真哉副会長)
  4. (4)来年度の税制改正では、これまでの投資や賃上げの状況に関して厳しく指摘したうえで、積極的な未来への投資に向けた企業の行動変容の重要性が強調されている。今後の議論の動向を注視することが必要(東原敏昭副会長)
  5. (5)新たな技術・サービスの実用化には、既存の法制度等を見直す規制改革が不可欠である。規制改革要望の実現に、デジタル臨時行政調査会とも歩調を合わせて取り組んでいきたい(佐藤康博副会長)
  6. (6)近年、企業も人権に関する取り組みの強化が求められていることを踏まえ、今般、企業行動憲章の「実行の手引き」を見直すとともに担当役員や実務担当者向けに「ハンドブック」を策定し、企業の自主的な取り組みを後押ししている(平野信行副会長)
  7. (7)新型コロナウイルスを契機に社会が大きく変わるなか、社会の中核で活躍する人材を輩出する大学の教育改革は急務である。今年1月に提言を取りまとめ、産学官連携によるリカレント教育プログラムの拡充や大学設置基準の見直し等を働きかけている(久保田政一副会長)

――との発言があった。

◇◇◇

夢洲を視察する一行

懇談会に先立ち、一行は大阪・関西万博の会場予定地である夢洲を視察。2025年日本国際博覧会協会から、工事の進捗や想定される会場のレイアウト等とともに、交通アクセスをはじめとする開催に向けた準備状況について説明を聴き、現状に対する理解を深めた。

【総務本部】

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