Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2022年9月15日 No.3559  小池東京都知事に提言「スタートアップ躍進ビジョン」を建議

小池知事(右)と南場副会長

経団連の南場智子副会長・スタートアップ委員長は8月26日、都内で小池百合子東京都知事と会談した。3月に公表した提言「スタートアップ躍進ビジョン~10X10Xを目指して」(ビジョン)を建議し、取りまとめに至った趣旨を説明しつつ、必要な施策の力強い実行を訴えた。

■ 南場副会長発言要旨

日本経済全体を浮揚させ、再度競争力を取り戻すための最も重要な課題として、スタートアップ・エコシステムの抜本的な強化が挙げられる。ビジョンでは、2027年までにスタートアップの裾野、つまり起業の数を10倍にするとともに、最も成功するスタートアップのレベルも10倍に高めることを目標としている。スタートアップ・エコシステムの形成には通常数十年かかるが、それを5年で成し遂げようとするものであり、制度面から人材面、教育面、調達に関する問題等の解決を一斉に力強く推進する必要がある。そこで、ビジョンの目標を実現するために40近くの施策を取りまとめた。

また、東京には世界有数のスタートアップの集積地になってもらいたい。東京都はぜひ、世界中から一流の起業家やエンジニア、資金、大学、キャピタリスト等が集まり、世界で最も起業しやすく成功しやすい環境を整えてほしい。

加えて、官民の人材流動化が重要であるほか、スタートアップ・エコシステムは一つの政策だけで形成されるわけではないため、総合的に世界目線で取り組んでほしい。

■ 小池都知事発言要旨

南場副会長の意向に賛同する。まさに今、スタートアップ振興に向けて積極的に取り組むべきである。スタートアップ政策には都庁内で複数の局が関与しているが、都庁の組織の都合に合わせてスタートアップが生まれるわけではないことから、その支援に向けて部署横断的な局長職を新設することとした。さらに、「出島」としてCIC Tokyoというスタートアップが多く入居する施設に職員を常駐させるなどの取り組みを進めていく。日本は「No Action, Talk Only」といわれることがあるが、そこから脱却すべきである。経団連も、われわれも本気である。スタートアップ振興に向けて方針を共有したい。

【産業技術本部】