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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2022年12月22日 No.3572 伝統的な紐帯に基づき日本との経済関係の拡大と多様化に取り組む -中南米諸国在京大使等との懇談会を開催

経団連は11月29日、東京・大手町の経団連会館で、中南米諸国の在京大使による外交団(GRULAC)との懇談会を開催した。GRULAC側からは、幹事であるメルバ・プリーア駐日メキシコ大使をはじめ各国大使等19人が出席した。経団連からは、加瀬豊中南米地域委員長、安永竜夫副会長・日本ブラジル経済委員長、片野坂真哉日本メキシコ経済委員長、倉石誠司日本メキシコ経済委員長ら25人が参加した。GRULAC側の発言の概要は次のとおり。

■ 日本は中南米諸国の伝統的なパートナー

中南米地域は、約6億5000万人の人口を有し、将来的にも成長が期待できる大きな市場を抱えている。また、天然資源、鉱物資源も潤沢で、日本を含む各国の企業が製造拠点を設置して活動するなど、さまざまな産業にとってビジネスチャンスが備わった戦略的な地域である。また、世界における日系人の約60%がブラジル、ペルー、パラグアイを含む中南米地域に在住しており、日本との人的なつながりは深い。加えて、日本は1960年代以降、中南米諸国への政府開発援助(ODA)を実施し、また、鉱山、農業、製造業などへの投資や、食料・資源などの貿易を活発に行うなど、中南米地域の伝統的なパートナーである。

■ 相互補完関係を一層強化すべく、日本の中南米回帰に期待

現下の国際情勢において、日本はさまざまな課題を抱えているが、中南米諸国と日本とは補完関係を構築できる。日本にとって中南米諸国は、例えば、食料安全保障、天然資源や鉱物資源の安定調達の観点から重要である。一方、中南米諸国も、日本からの投資による雇用の創出とより良い生活の実現を求めている。しかし、直近10年において中南米諸国への日本企業の投資は減少している。その要因の一つは、日本が中国や韓国をはじめさまざまな国々との熾烈な競争にさらされていることであろう。中南米諸国は日本を信頼できる国として重視しており、ぜひ日本企業にはこの地域に再び活発に投資してほしい。そしてさらなる連携強化を通じて共に発展していきたい。

■ 中南米は平和と安定の地域~ミッション派遣を歓迎

多くの中南米諸国は、民主主義等の基本的な価値観を共有し、多様性に富み、平和と政治的安定性が存在している。経済面では、環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(CPTPP)の締約国や、アジア太平洋経済協力(APEC)に加盟する国もあり、自由貿易を熱心に推進している。こうしたことを背景に、外国企業は、中南米地域のシェールオイルやシェールガス等の新しい分野にも迅速に参入している。日本企業にも多彩な分野への投資を期待する。そのためにも、ミッションを派遣し、中南米諸国を直接視察してほしい。これは、中南米諸国と日本の経済関係の改善、発展に資すると確信している。

◇◇◇

意見交換では、日本側から中南米地域での取り組みや日メルコスールEPAへの期待、自由で開かれた国際経済秩序の重要性について言及があった。

経団連は、今後も中南米諸国とわが国との経済関係の強化に取り組んでいく。

【国際協力本部】

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