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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2023年3月16日 No.3583 ラマ・アルバニア首相一行との懇談会を開催

ラマ首相

経団連は2月21日、東京・大手町の経団連会館で、アルバニアのエディ・ラマ首相および政財界一行との懇談会を開催した。経団連からは、佐藤義雄ヨーロッパ地域委員長、清水章ヨーロッパ地域委員会企画部会長らが出席した。ラマ首相の発言概要は次のとおり。

アルバニアは地政学的に複雑な状況下にある。歴史を振り返ると、西バルカン地域はロシアからの政治的な影響を受けやすく、近年では「一帯一路構想」を推進する中国の経済的影響も受けている。しかし、このような環境下にあっても、アルバニアはロシアと主だった関係をもたず、また、中国からの投資も受け入れていない。社会主義時代、中国の影響下にあったことに鑑みれば特筆に値する。われわれは欧州連合(EU)への加盟を目指しており、2022年7月に正式な交渉を開始している。また、ロシアによるウクライナ侵攻に際し、北大西洋条約機構(NATO)の一員として日本と同様の姿勢で臨んでいることを誇りに思っている。日本には、ぜひ、西バルカン地域において、より存在感を示してほしい。中国とのバランスをとるうえでの精神的支柱という意味でも日本の存在は大きい。

22年、アルバニアの対日貿易収支が初めてプラスに転じた。日本の貿易規模から考えれば微々たるものかもしれないが、われわれにとっては大きな励みとなる成果である。また、最近では、日本企業が自動車部品の製造拠点をアルバニアに新設し、欧州を拠点とする日本、ドイツ、フランス、韓国等の自動車メーカーへのサプライヤーとなっている。今後、貿易投資の発展のためには日アルバニア自由貿易協定(FTA)の締結が重要であると考える。両国企業が相互に市場参入しやすい環境をつくることで互恵的関係を構築したい。

産業の立地のためには、電力、交通インフラが必要であることを承知している。水力発電を増強するほか、太陽光、風力など電源構成を多角化することで、29年に電力の純輸出国となることを目指す。アルバニア・コソボ間の貨物鉄道を整備するなど、EU加盟に向けて経済の安定化を図るという、開かれたバルカン政策を推進する。油田、ガス田も存在するので、エネルギー開発にも取り組む。

日本とのさらなる連携強化に向け、日本企業のミッション訪問を心より歓迎する。アルバニア一国のみならず、西バルカンという地域を一体的にとらえてほしい。

【国際経済本部】

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