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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2024年1月25日 No.3622 技能実習制度および特定技能制度の見直し -産業競争力強化委員会外国人政策部会

福原氏

経団連は12月19日、東京・大手町の経団連会館で産業競争力強化委員会外国人政策部会(毛呂准子部会長)を開催した。

政府が2022年11月に「技能実習制度及び特定技能制度の在り方に関する有識者会議」(有識者会議)を設置したことを受け、経団連は有識者会議の一員として、経済界の意見の反映に取り組んできた。23年11月、両制度のあり方等を示した最終報告書が取りまとめられたことから、その概要について出入国在留管理庁の福原道雄審議官から説明を聴いた。概要は次のとおり。

■ 見直しの方向性

23年5月に公表された有識者会議の中間報告書では、現行の技能実習制度を発展的に解消するとともに、特定技能制度を適正化しつつ引き続き活用する方針が示された(6月29日号既報)。

その方針を踏まえて「外国人の人権保護」「外国人のキャリアアップ」「安全安心・共生社会」の三つの視点から検討を深め、今般、見直しの方向性が提言された。例えば、技能実習制度は人材確保と人材育成を目的とする新たな制度とするなど実態に即した見直しとすることや、外国人の人権保護の観点から、一定の要件のもとで本人の意向による転籍を認めることが盛り込まれている。

■ 一貫したキャリアの構築に向けて

現行の技能実習制度の目的は技能移転による国際貢献である一方、特定技能制度の目的は人材確保である。それぞれの目的が異なるなか、特定技能外国人の約7割が技能実習生から移行しており、両制度は接続しているのが実態である。こうした実態に即して、新たな制度ではその目的に人材確保を加えるとともに、在留期間を通じて特定技能1号の技能水準への人材育成を図るなど、特定技能制度との接続性を高めていく。これにより、外国人は日本で一貫したキャリアを構築していくこととなる。

■ 今後のスケジュール

政府は有識者会議の最終報告書を踏まえて、24年の通常国会に関連法案の提出を目指している。他方、制度施行にあたっては、現行の技能実習制度および特定技能制度を利用している外国人や受け入れ機関等に無用な混乱が生じないように、年単位の移行期間の設置や必要な経過措置を検討するなど、きめ細かな配慮を行う。この制度見直しを通じて、日本が魅力ある働き先として外国人に選ばれる国になるよう、関係省庁とも協議しながら速やかに検討を進めていきたい。

【産業政策本部】

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