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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2024年2月8日 No.3624 特別加入制度の対象拡大と労災保険率の改定、一般健康診断の健康診断項目等に関する今後の検討 -労働法規委員会労働安全衛生部会・ワーキング・グループ

経団連は12月27日、東京・大手町の経団連会館で労働法規委員会労働安全衛生部会(大野隆久部会長)と関係するワーキング・グループによる合同会合を対面とオンラインによるハイブリッド形式で開催した。厚生労働省労働基準局の松永久労災管理課長から「労災保険特別加入制度の対象拡大」について、同労災管理課の小此木裕二労災保険財政数理室長から「労災保険率の改定」について、同安全衛生部の松岡輝昌労働衛生課長から「一般健康診断の健康診断項目等に関する今後の検討」について、それぞれ説明を聴いた。概要は次のとおり。

■ 特別加入制度の対象拡大(松永氏)

特別加入制度は、一人親方や自営業者等が特別に労災保険に加入できる制度である。「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」(フリーランス法)の附帯決議を踏まえ、希望するすべての特定受託事業者が任意に加入できるように同制度を見直した。

新たに対象となる業務の保険料率は、一律1000分の3とした。施行後の災害発生状況を踏まえ、必要に応じて見直しを検討する。また、特別加入の手続きなどを行う特別加入団体の要件を、(1)フリーランス全般の支援の活動実績を有すること(2)全国を対象とした事業の実施(3)加入者への適切な災害防止教育の実施と厚労省への報告――とした。同制度の施行は、フリーランス法と同じ2024年秋ごろを予定している。

■ 労災保険率の改定(小此木氏)

労災保険率は概ね3年ごとに見直しており、業種ごとに過去3年間の災害発生状況等を考慮し、一定の算定式に当てはめて算出している。23年12月26日の労災保険部会において、24年4月からの改定案を審議(諮問)し、妥当と答申された。

新たな保険率は全業種平均で1000分の4.4となり、現行の労災保険率から1000分の0.1引き下げとなった。引き上げはパルプまたは紙製造業、電気機械器具製造業、ビルメンテナンス業の3業種、据え置きは34業種、引き下げは17業種となった。今回の料率改定により、年間116億円の負担軽減になると見込んでいる。

■ 一般健康診断の健康診断項目等に関する今後の検討(松岡氏)

23年6月16日に閣議決定した「経済財政運営と改革の基本方針2023」等において、女性の健康に関する項目(月経困難症や更年期症状等)を一般健康診断の問診に追加すること、「規制改革実施計画」において、最新の医学的知見や社会情勢の変化等を踏まえて検査項目や検査手法を検討すること――が盛り込まれた。

そこで厚労省は、「労働安全衛生法に基づく一般健康診断の検査項目等に関する検討会」を設置し、23年12月5日に初回の会合を開催した。今後、構成員からのヒアリング等を重ねながら、最新の医学的知見に基づく現行の検査項目の妥当性や、労働者の健康課題の変化を踏まえた検査項目のあり方等を検討していく。

【労働法制本部】

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