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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2025年4月17日 No.3680 ASEANと日本外交 -アジア・大洋州地域委員会

宮本氏

経団連は3月26日、東京・大手町の経団連会館で、アジア・大洋州地域委員会(原典之委員長)を開催した。外務省の宮本新吾南部アジア部長から、日ASEAN関係の現状と課題について、説明を聴くとともに意見交換した。説明の概要は次のとおり。

日本は長年にわたり、ASEANの総貿易額における日ASEAN間の貿易額において大きなシェアを有してきたが、2008年を境に、中国のASEANにおける経済規模が日本を上回る状況となっている。他方、ASEANに進出する日本企業数は、米国や中国を大きく上回る7000社を超え、10年前の15年から約1800社増加しているが、20年以降はほぼ横ばいとなっている。

こうしたなか、ASEANとのさらなる関係強化に向けては、人的交流のさらなる活性化がカギとなる。具体的には、ASEANから日本への人の流れについては、24年に、ASEANからの特定技能、技能実習生の数は過去最多を記録した。技能実習の有資格者全体の9割近くをASEANの人材が占めており、なかでもベトナムは全体の約半分を占めている。また、24年のASEAN諸国からの訪日者数は約439万人、居住者数は約130万人を記録している一方で、日本からASEAN諸国への訪問者数は約290万人、居住者数は約17万人となっている。

かつて日ASEAN関係を構築してきた世代に代わり、若い世代の経営層がASEAN諸国で台頭している。日本が存在感を高めていくためには、日本からASEAN諸国への人の移動を一層促進し、現地の優秀な人材を企業経営に登用し、その意見を積極的に取り込むことで、ビジネスレベルにおける日ASEAN間の信頼関係を構築することが重要だろう。

なお、ASEAN諸国における投資、観光、人材交流の一層の促進に向け、日本アセアンセンターでは、ASEAN諸国政府と直接交流できる機会のほか、現地情勢や投資環境等に関する最新情報を提供している。ASEANへの進出や投資を検討する際にはぜひ利用いただきたい。

【国際協力本部】

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