
長澤チーフアドバイザー

大久保アドバイザー
経団連事業サービス(筒井義信会長)は、ミドルマネジャーを対象とする年間研修「経団連グリーンフォーラム」の第20期を開講した。
6月4日、東京・大手町の経団連会館で行った開講式には、受講者43人らと共に、同フォーラムのチーフアドバイザーを務める長澤仁志経団連副会長と同アドバイザーの大久保幸夫職業能力研究所代表取締役が出席した。
冒頭あいさつで長澤チーフアドバイザーは、ロシアによるウクライナ侵攻や中東情勢などに言及。「不確実性に満ち、先の見えない混沌とした今の時代において、ミドルマネジャーには経営と現場の橋渡し役としてさまざまな課題に向き合うことが期待される。同フォーラムでは、(1)組織を超えた仲間との出会いを大切にし、本音で語り合ったり悩みを共有したりできる関係を築くこと(2)倫理観とマインドセットを磨き、正しいことを正しいと言える強さや信念を持って行動する姿勢を養うこと(3)自分を見つめ直し、自身の強みをさらに伸ばすこと――の3点を念頭に置いて学んでほしい。講座やグループワークでは、積極的にコミュニケーションを取りながら、課題に挑戦し、新しい価値を創造する経験を積んでほしい。そのうえで、日本の未来を担う真のミドルマネジャーへと成長してほしい」と激励した。
大久保アドバイザーは、「皆さんはキャリアの節目にいる。就業してから一定期間は多くの人がある程度成長するが、キャリア後半となるミドルマネジャーになってから成長できるか否かは、本人の意識と行動次第である。同フォーラムは、視野を広げて将来展望を描くためのマインドセットを養う講座と、業務実践力を高めるためのリスキリング講座を体系的に組み合わせている。良質な知識を吸収し、問題意識を持ち、業務での実践を繰り返すことで、さらなる飛躍のための助走期間となることを心から願う」と、受講者にエールを送った。
続いて、2024年度修了生を代表して出席した2人が受講者にメッセージを寄せた。
日本郵船の白倉裕美秘書・渉外グループ調査役は、「このフォーラムを通して自身を客観的に捉えたり、キャリアの言語化をしたりすることができた」と振り返った。加えて、同期メンバーから預かったメッセージとして、「普段ならためらうことも、研修の場では思い切って自分を試すことができ、今後の自信と決心へとつなげることができた」「通常業務と研修の両立はハードだが、能力や効率の向上といった良い変化が起きるので、前向きに取り組むことを勧める」などを伝えた。
森トラストの山村真人不動産開発本部開発企画部長は、印象に残ったいくつかの講座を挙げつつ、「フォーラムで広がった人脈は何物にも代え難い貴重な財産となった。皆さんはマネジャーとしての悩みや将来への不安などを少なからず抱えていることと思うが、研修機会をフル活用して自身の殻を破り、新たなステージへ進むことを祈念している」と述べた。
その後、全受講者が自己紹介し、同フォーラム参加に当たっての抱負などを述べ、閉会した。閉会後は、受講者同士の交流会が行われた。
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経団連グリーンフォーラムは、次世代リーダーの育成を目的とした約10カ月間の年間研修。
ロジカル・コミュニケーション、キャリアデザイン、ビジネス・ネゴシエーションなど、一流講師陣による各種の講義と演習、受講者同士の討議等を通じて、管理職として必要な実践力や変革力を磨くことができる。異業種交流による人脈形成にも寄与している。
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