
カチカ副首相(中央)と筒井会長(左)、國分委員長
経団連の筒井義信会長、國分文也ウクライナ経済復興特別委員長、久保田政一副会長・事務総長らは8月4日、来日したウクライナのタラス・カチカ欧州・欧州大西洋統合担当副首相、アンドリー・シビハ外務大臣、オレクシー・ソボレフ経済・環境・農業大臣らと都内で懇談した。ウクライナ側の発言概要は次のとおり。
■ カチカ副首相
ウクライナに対する日本の一貫した支援には、改めて心から感謝している。ロシアの攻撃が続くなかで、日本のビジネス界が復興に貢献する姿を見るのは本当に心強い。日本の協力が着実に強化されていることを日々実感している。
■ シビハ大臣
ゼレンスキー大統領から、日本の継続したウクライナ支援に対する感謝のメッセージを預かっている。ロシアによる侵略直後から、日本はウクライナを支援してくれた。そのおかげもあり、ウクライナは3度目の冬を乗り越えることができた。
現在もロシアはキーウやオデーサに対して、ミサイルなどによる激しい攻撃を続けている。こうした厳しい状況のなかで、ウクライナは日本にハイレベルな代表団を派遣した。これは両国関係の重要性を示している。
今、団結が求められている。なぜならロシアの攻撃は、ウクライナだけを標的にしたものではなく、世界が共有する価値観そのものを破壊しようとしているからである。
世界銀行の推計では、ウクライナでは今後10年間で約5240億ドルもの復興費用が必要とされている。これは極めて大きな損害だが、同時に、大規模な復興プロジェクトでもある。
日本企業にはこの復興プロジェクトに積極的に関与してもらいたい。
■ ソボレフ大臣
ウクライナ復興に関し、大規模な投資ファンドの立ち上げを検討している。日本のビジネス界にはぜひ興味を持ってほしい。工業団地の造成計画もあり、日本企業には工業団地のオペレーターを担ってもらうことを期待している。
【国際経済本部】