「AZEC(アジア・ゼロエミッション共同体)構想」は、各国の事情に応じたエネルギートランジションの「多様な道筋」を通じて、アジアの脱炭素化・経済成長・エネルギー安全保障の同時実現(トリプルブレークスルー)を目指すべく、2022年に日本政府が提唱したイニシアティブである。
経団連は、AZEC発足当初からこれを支持し、24年7月、25年9月と2度にわたりAZEC構想の推進に向けた提言を公表するなど(9月18日号既報)、同構想の具体化に協力している。
■ 第3回AZEC閣僚会合
小堀副会長(前列右から2人目)~AZEC閣僚会合(提供:経産省)
10月17日、マレーシア・クアラルンプールで開催された第3回AZEC閣僚会合に、経団連から小堀秀毅副会長・環境委員長が参加した。
経団連、ASEANビジネス諮問委員会(ASEAN-BAC)、東アジア・アセアン経済研究センター(ERIA)で構成する「AZECアドボカシーグループ」による共同提言をAZECパートナー国閣僚に手交した。
各国大臣からは、国ごとの実情に応じたエネルギー移行を加速する努力を継続し、AZECの具体化に向けて引き続き尽力する旨の発言が相次いだ。再生可能エネルギー、廃棄物発電等の個別プロジェクトの進展、トランジションファイナンスに関しても、日本に対する期待の声が多く寄せられた。
■ 高市首相に経団連提言を建議
高市首相(中央)に提言を建議
第3回AZEC首脳会合(10月26日、クアラルンプール)に先立ち、24日、原典之審議員会副議長、木藤俊一同副議長は、高市早苗内閣総理大臣に「AZEC構想の推進に関する第二次提言」(以下、第二次提言)を建議し、提言実現に向け首相のリーダーシップを求めた。
高市首相からは「日本の高い技術が各国の課題を解決し、日本の経済成長にもつながる。日本の技術で世界に貢献していく」との決意が示された。
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22日には、AZEC議員連盟(最高顧問=岸田文雄元内閣総理大臣、会長=齋藤健元経済産業大臣)総会が開催され、小堀副会長が第二次提言を説明した。同提言を踏まえ、AZEC議連は「AZEC推進のための提言」をまとめた。
【環境エネルギー本部】
