アブショフ氏
経団連は11月17日、東京・大手町の経団連会館で「バージニア州、リッチモンド市、バージニアビーチ市との懇談会」を開催した。米国バージニア州経済開発機構のアンチェ・アブショフ副局長をはじめ、同州の主要都市であるリッチモンド市とバージニアビーチ市の経済開発局の関係者らが参加し、同州のビジネス環境や産業面での強みなどについて説明を聴くとともに意見交換を行った。アブショフ氏の講演の概要は次のとおり。
■ 州のビジネス環境
バージニア州は全米で最もビジネスフレンドリーな州の一つとして、長年高い評価を得ている。州のGDP規模は全米13位であり、日本を含む海外からの対外直接投資を州経済の重要な柱に位置付けている。特にワシントンDCに近い地理的優位性は、他州の主要都市とのビジネス連携を進めるうえで大きな利点だ。
税負担は全米で低水準にあり、特に法人税率は50年以上低位で安定している。州はAAA格付けを長期間維持しており、財政の健全性が際立っている。
エネルギーのコストは比較的低く、安定した供給を確保している。進出企業の人材確保に資するよう、職業訓練に加え、採用を支援するプログラムを用意している。
先日の州知事選挙では、民主党のアビゲール・スパンバーガー氏が勝利し、2026年1月に新知事に就任する。同氏は中道派であり、新知事就任後も、州の政策運営はこれまでと同様に安定的に継続していく。
■ 州の多様な産業基盤と今後の日本との協力
バージニア州には、データセンター、航空宇宙、防衛、ライフサイエンス、自動車、食品・飲料など多様な産業基盤がある。なかでもデータセンターは全米最大規模の集積地であり、航空宇宙産業ではロケット打ち上げ施設を有している。
多くの日本企業が当州に進出しており、多様な産業基盤の強化と地域経済の成長に貢献している。日本は当州の重要な投資国の一つであり、今後日本との経済関係を一層強化していきたい。
【国際経済本部】
