資源に乏しく人口減少に直面するわが国にとって、食料・資源・エネルギーが豊富で高い成長力を持つグローバルサウス(GS)との連携強化は不可欠だ。
経団連は、2024年12月に公表した中長期ビジョン「FUTURE DESIGN 2040」(FD2040)で、GSの社会課題解決への貢献を通じてパートナーとして選ばれる国となることを掲げるとともに、連携を強化すべき国・地域を選び、政策資源を集中投下することの重要性を強調した。
25年12月16日、提言「グローバルサウスとの連携強化に向けて~重視すべき事項とアクションプラン」を公表した。重点国・地域の選定に当たって重視すべき事項を示すとともに、日本政府に、アクションプランを策定し、力強い外交を展開するよう求めている。概要は次のとおり。
■ 五つの重視すべき事項
自由で開かれた国際秩序を維持・強化するための仲間づくりを進め、大国に過度に依存しない自立した国家を確立する観点から、重点国・地域の選定に当たって、次の五つの事項を重視すべきだ。
1.外交・安全保障の強化
法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持・強化の観点から、環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(CPTPP)の深化と拡大に貢献し得る国・地域、自由貿易協定(FTA)・経済連携協定(EPA)を締結済みならびに交渉中の国・地域など
2.経済安全保障等の確保
食料・資源・エネルギーの安定供給の確保の観点から、特定重要物資のサプライチェーンの多様化・強靭化に不可欠な国・地域など
3.CNの実現
カーボンニュートラル(CN)実現に不可欠なエネルギー資源を確保するとともに地球規模でのCNへの貢献の観点から、水素・アンモニア等のクリーンエネルギーを潤沢に、かつ経済性ある価格で製造・利用できるポテンシャルを持つ国・地域など
4.社会課題解決と持続的成長との好循環の形成
相手国の社会課題解決への貢献を通じて相手国の経済成長を促し、わが国の持続的成長を実現するという観点から、市場としての成長が見込まれる等の国・地域など
5.デジタル技術の振興・実装による国力の向上
技術力は国力を構成する重要な要素であり、とりわけデジタル技術の振興・実装はその中核であるという観点から、サイバーセキュリティ対策の強化・推進等に不可欠な国・地域など
■ アクションプランに基づく力強い外交の展開
アフリカ開発会議(TICAD)をはじめとする主要国際会合等を時間軸に据えながら、内閣総理大臣によるトップ外交の展開と官民フォーラムの開催、経済協定の締結、質の高いインフラシステムの海外展開、国際ルール・標準の形成、第三国との協力、人材の育成・交流の推進――を盛り込んだアクションプランを策定すべきだ。
そのアクションプランに基づき、これらの連携ルールを有機的・戦略的に組み合わせた力強い外交を展開すべきだ。
【国際協力本部】
