「金メダル」の気概をいまこそ
今月末よりロンドンで、夏季オリンピックが開催される(7月27日~8月12日)。世界のトップ・アスリートが一堂に会し、互いの技量を競い合う世界最大のスポーツの祭典である。
今月末よりロンドンで、夏季オリンピックが開催される(7月27日~8月12日)。世界のトップ・アスリートが一堂に会し、互いの技量を競い合う世界最大のスポーツの祭典である。
人口減少に伴う国内市場の縮小や産業の空洞化、都市・地域間の格差拡大などが懸念されるなか、地域に根付き、すそ野の広い観光産業への期待が、いままでになく高まっている。2006年に「観光立国推進基本法」が制定、2007年に「観光立国推進基本計画」が策定され、国家戦略としての観光振興の取り組みが本格化する矢先、昨年の東日本大震災に見舞われた。大震災を乗り越え、「観光立国」を実現する革新的な施策と戦略を探った。
大塚陸毅 (経団連副会長・観光委員長/東日本旅客鉄道相談役)
今年4月に仙台と東京で開催されたWTTCグローバルサミットは、野田総理の登壇もあり、日本が国家戦略として観光に取り組む姿勢を明確に示すことができた。この会合の成否は、今後の具体的な取り組みによって決まる。「伝統と最先端のテクノロジーの並存」という日本の魅力を活かし、関係者の協調と連携を深め、観光立国を実現しなければならない。政治のリーダーシップは不可欠だが、経団連としても、観光関連産業の優良事例の横展開などに取り組むほか、必要に応じ政策提言を行っていきたい。
山口範雄 (経団連審議員会副議長・観光委員会共同委員長/味の素会長)
観光とは、国内外で人と人とのつながりをつくっていく営みである。「絆」という言葉に象徴されるように、震災を経て、豊かな観光を提供できる素地が、日本社会に醸成されてきたと感じる。昨年から、日本の食文化をユネスコの世界遺産に登録しようというプロジェクトが動いているが、四季や自然、健康など、食文化に活かされた日本文化の魅力を訴えることは、観光需要の喚起につながる。
末澤和政 (藤田観光社長)
観光は、「量」の時代から、「個」あるいは「質」の時代に転換しつつある。成長著しいアジアをはじめ、多様化する観光客一人ひとりのニーズに応えられるサービスの提供が必要である。企業としては、性別・年齢・国籍・学歴など、多様な人材を登用し、ダイバーシティ化を進めていくことが必要である。国レベルの取り組みとしては、経済、文化、科学技術、医療など、あらゆる分野の力を高めることが、日本の観光競争力を高めることになるだろう。
生江隆之 (司会:経団連観光委員会企画部会長/三井ホーム社長)
インバウンド・ツーリズムを通じた地域活性化
松山良一 (日本政府観光局(JNTO)理事長)
歴史文化を伝え、新しい日本をつくる
山口昌紀 (歴史街道推進協議会会長)
「観光王国・九州」を目指して
石原 進 (九州観光推進機構会長)
国際環境リゾート「NISEKO」への取り組み
片山健也 (ニセコ町長)
瀬戸内海のアート活動から考える「観光立国」への道
福武總一郎 (ベネッセホールディングス会長)
Jリーグと観光
~アウェーツーリズム
傍士銑太 (日本経済研究所専務理事・地域未来研究センター長)
【提言】 成長戦略の実行と財政再建の断行を求める
~現下の危機からの脱却に向けて
岡本圀衞 (経団連審議員会副議長・経済政策委員長/日本生命保険会長)
秦 喜秋 (経団連財政制度委員会共同委員長(提言公表当時)/三井住友海上火災保険常任顧問)
塚本隆史 (経団連財政制度委員会共同委員長/みずほフィナンシャルグループ会長)
【提言】 生涯にわたり安心して暮らせる社会を実現するために
~提言「高齢社会に対応した住まい・まちのあり方」
渡邊大樹 (経団連都市・地域政策委員会、住宅政策委員会 高齢社会対応部会長/日本電信電話副社長)
ミドルマネジャーが役割を果たしやすい環境の整備に向けて
~報告書「ミドルマネジャーをめぐる現状課題と求められる対応」
鳥原光憲 (経団連人事・労務委員長/東京ガス会長)
欧州とのさらなる経済関係強化に向けて
~訪欧ミッションを派遣
横山進一 (経団連ヨーロッパ地域委員会共同委員長/住友生命保険会長)
小林喜光 (経団連ヨーロッパ地域委員会共同委員長/三菱ケミカルホールディングス社長)
難局を乗り越え、豊かな日本を取り戻すために
~報告書「グローバルJAPAN~2050年 シミュレーションと総合戦略」
森田富治郎 (21世紀政策研究所所長)