地域主導の街づくり推進とイノベーションの創出
わが国の持続的な経済成長実現のためには、「環境・エネルギー・安心・安全」といった今後重要となるテーマでのイノベーション創出が何よりも必要である。その際、単一の技術や商品単位ではなく、「街づくり」のようなシステムづくりのなかで「全体最適」を考えることが重要となる。
わが国の持続的な経済成長実現のためには、「環境・エネルギー・安心・安全」といった今後重要となるテーマでのイノベーション創出が何よりも必要である。その際、単一の技術や商品単位ではなく、「街づくり」のようなシステムづくりのなかで「全体最適」を考えることが重要となる。
人口減少・少子高齢社会が到来するなかで、地方においては、人口流出、過疎化、自治体財政の逼迫、産業の空洞化や雇用の喪失といった、深刻な問題が顕在化している。地方がこうした困難な状況を克服し、日本全体に活力をもたらすようにするためには、どのような施策が必要なのか。地方分権改革の推進、その先の道州制の導入を見据え、議論した。
畔柳信雄 (経団連副会長/三菱東京UFJ銀行相談役)
経済成長と財政改革の両立は、中央政府のみならず地方経済に突きつけられている課題である。地方自治体は、経営の視点を持って、グローバルな環境変化を見据えて成長戦略を描き、行財政改革・バランスシート改革の徹底によって成長の原資を確保し、選択と集中を行っていかなければならない。その具体的な実践のなかから道州制のイメージが形成される。また、経団連としては、道州制の導入に向けた政治のリーダーシップを期待する。
片山善博 (慶應義塾大学法学部教授)
自治体ごとに主体的な取り組みができる環境をつくることが、地方分権の基本である。これまでの分権改革の取り組みを一言で評価するなら、「遅々として進んできた」というところか。民主党政権下の総務大臣として、補助金改革、出先機関改革などをある程度進めることができたと振り返る。しかし、改革の成果を活用する地方の側も、そのあり方が問われる。
鈴木康友 (浜松市長)
市長として、自治体運営を経営者の視点で考えている。浜松市では、「産業イノベーション構想」により、既存産業の高度化・新産業の育成を進めるとともに、「新・ものづくり特区」を国に申請し、農・工業の振興を図っている。また、静岡県や静岡市とも連携し、「しずおか型特別自治市」を模索しているが、これは「特別自治市制度」の次善策として、現行の制度下で、特別自治市と同様の効果をねらった地方分権改革の試みである。道州制実現に向けては、基礎自治体が県から住民に身近な行政サービスを全て引き受け、自立する覚悟が必要である。
林 宜嗣 (関西学院大学経済学部教授)
行政運営・自治体のあり方にもパラダイムシフトが起こっている。しかし自治体改革の多くは従来の行政の守備範囲にとどまっている。新しい取り組みを始めるにも、財政健全化は喫緊の課題であるが、同時に、自治体に求められるのは企業はじめ民間の活動をサポートしていくという発想である。道州制実現に向けては、抽象的な議論に終始するのではなく、地域にふさわしい道州制の姿を、住民を巻き込んだ議論のなかから見出していくべきである。
椋田哲史 (司会:経団連常務理事)
「九州はひとつ」の実現を目指して
松尾新吾 (九州地域戦略会議議長/九州経済連合会会長)
なぜ今、道州制が必要なのか
村井嘉浩 (宮城県知事)
喫緊の課題としての都道府県改革
辻 琢也 (一橋大学大学院法学研究科教授)
分権改革は理論から実践の時を迎えている
北川正恭 (早稲田大学大学院公共経営研究科教授)
都市国家にふさわしい大都市制度の構想を
佐々木信夫 (中央大学経済学部教授)
地域の自立と人材育成
谷口博文 (九州大学産学連携センター教授)
道州制で問われる地域独自の将来ビジョン
荒田英知 (PHP総研主席研究員)
「市民道州制」なら地域と日本を元気にできる!
藤井秀一 (道州制ドットコム代表)
【提言】 今後の企業年金制度のあり方
斎藤勝利 (経団連副会長、社会保障委員長/第一生命保険会長)
鈴木茂晴 (経団連社会保障委員会共同委員長/大和証券グループ本社会長)
【提言】 国民生活および事業活動を支える現実的なエネルギー政策の立案を
~エネルギー政策の再構築を求める
井手明彦 (経団連審議員会副議長、資源・エネルギー対策委員長/三菱マテリアル会長)
【提言】 新政権は温暖化政策の抜本的な見直しを
~地球温暖化政策に関する意見
坂根正弘 (経団連副会長、環境安全委員長/小松製作所会長)
COP18を振り返って
~国際枠組構築に向けた成果と経団連の活動
進藤孝生 (経団連環境安全委員会地球環境部会長/新日鐵住金副社長)