環境、切迫感はプロセスイノベーションの母
戦後、日本の鉄鋼業は積極果敢にプロセスイノベーションに取り組み、30年ほどで、技術で世界をリードするようになった。これは多くの先人の努力のたまものではあるが、切迫した日本の経済環境がそうさせたということも忘れてはならない。
戦後、日本の鉄鋼業は積極果敢にプロセスイノベーションに取り組み、30年ほどで、技術で世界をリードするようになった。これは多くの先人の努力のたまものではあるが、切迫した日本の経済環境がそうさせたということも忘れてはならない。
安倍政権の経済政策により、日本企業を取り巻く経営環境は大幅に改善された。一方で、円安による原材料価格やエネルギー価格の上昇で収益を圧迫されている業種もある。こうしたなか、政府は昨年、企業収益の向上を賃金上昇や雇用拡大につなげ、消費を押し上げるべく、「経済の好循環実現に向けた政労使会議」を開催し、共通認識の取りまとめがなされた。デフレからの脱却と持続的な成長の実現に向け、今こそ労使はより幅広い視野に立って議論を深めていかなければならない。
宮原耕治 (経団連副会長・経営労働政策委員長/日本郵船会長)
安倍総理が掲げる「世界で一番企業が活躍しやすい国」の実現に向けて、法人実効税率やエネルギーコストの引き下げを図る必要がある。経済の好循環実現を目指した政労使会議は、デフレ脱却を図るために特別の意義があった。賃金などの労働条件は自社の経営状況に即して労使が徹底的に議論し決定するとの原則のもと、業績が好調な企業は、賞与・一時金への反映や特定層の賃金水準の引き上げ、諸手当の改定など、さまざまな方策を検討するだろう。
篠田和久 (経団連副会長・雇用委員長/王子ホールディングス会長)
失業なき労働移動を実現するためには、持続的な経済成長と新たな雇用の受け皿となる成長産業の育成が何よりも必要である。そのうえで、非正規雇用を含めて、社会全体として労働者の能力開発とキャリア形成の機会を増やしていくことが重要だ。最近の労働法制の動きに対しては、議論を重ねてバランスのとれた政策となることを期待したい。今回の労働者派遣制度の見直しは関係者にとってわかりやすい制度を目指しており、その方向性を高く評価している。
古賀信行 (経団連審議員会副議長/野村證券会長)
企業のグローバル化に伴い、年功的な賃金カーブや旧来型ベースアップを採用しない企業が現れるなど、日本企業の賃金体系や決定方法は大きく変わってきているが、業績が良くなれば従業員にも報いることは、引き続き、経営者の務めだ。また、労使コミュニケーションの重要性も変わらない。労使交渉は、経営環境や経営方針を組合員に正しく理解してもらう場であり、職場環境や人材育成などの現場の声を組合から経営側に伝える場でもある。
伊丹敬之 (東京理科大学大学院イノベーション研究科長/経営労働政策委員会アドバイザー)
異次元の金融緩和により、行き過ぎた円高は是正された。もう一つの課題である電力問題を解決するには、40年前のオイルショックのときに日本の産業が見せた、エネルギー消費を減らして成長するという離れ業を実現すべきである。今はアベノミクスの成否がかかるターニングポイントにあり、経営者が思い切った判断をすることが、本格的な景気回復につながることになるだろう。
川本裕康 (司会:経団連常務理事)
2014春季生活闘争の役割
古賀伸明 (日本労働組合総連合会会長)
今、経営者が取り組むべきこと
西村和義 (埼玉県経営者協会会長/日本信号会長)
女性の活躍推進からワーク・ライフ・バランスへ
上村博美 (大和証券執行役員)
「実力主義」を具現化する役割給制度
福井啓貴 (キヤノン人事企画部長)
日本企業のグローバル市場での飛躍に向けて
安渕聖司 (GEキャピタル社長兼最高経営責任者)
組合員層の再雇用制度の改定
松本啓二 (三菱レイヨン人事部人事労制グループリーダー)
より効率的な働き方の実現
~朝型勤務へのシフトに向けて
垣見俊之 (伊藤忠商事人事・総務部企画統轄室長)
改正労働契約法と非正社員の正社員転換の円滑化の課題
佐藤博樹 (東京大学大学院情報学環教授)
「介護と仕事の両立」で崩壊する企業と勝ち続ける企業の違い
小室淑恵 (ワーク・ライフバランス社長)
2014年版経営労働政策委員会報告を公表
~デフレからの脱却と持続的な成長の実現に向けて
(経団連労働政策本部)
【提言】
日本経済の発展の道筋を確立する
~国民生活の豊かさを実現するために
http://www.keidanren.or.jp/policy/2014/006.html
岡本圀衞 (経団連審議員会副議長・経済政策委員長/日本生命保険会長)
上釜健宏 (経団連経済政策委員会共同委員長/TDK社長)
【提言】
イノベーション創出に向けた国立大学改革
http://www.keidanren.or.jp/policy/2013/112.html
内山田竹志 (経団連産業技術委員会委員長/トヨタ自動車会長)
小野寺正 (経団連産業技術委員会共同委員長/KDDI会長)
福島復興・世界初浮体式洋上ウィンドファームへの挑戦
福田知史 (丸紅国内電力プロジェクト部長)