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月刊 経団連  座談会・対談 経済社会を支える科学技術イノベーション

須藤 亮
司会:経団連産業技術委員会企画部会長
東芝常任顧問

元村有希子
毎日新聞編集編成局デジタル報道センター編集委員

久間和生
総合科学技術・イノベーション会議議員

内山田竹志
経団連副会長
トヨタ自動車会長

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内山田竹志 (経団連副会長/トヨタ自動車会長)
科学技術イノベーション政策を成長戦略とも連動する国家戦略として重要視していくべきであるという観点から、経団連は、強力な司令塔の実現、ファンディングの仕組みの改革、大学・大学院の改革、科学技術予算の拡充の四点を提言している。現在、安倍政権のもと、改革は力強く進められている。2020年の東京オリンピック・パラリンピックをマイルストーンにして、かつての新幹線のような子どもたちに夢を与えるイノベーションを実現したい。

久間和生 (総合科学技術・イノベーション会議議員)
総合科学技術・イノベーション会議は、政策・予算・法制度の三位一体で日本の科学技術イノベーション政策を立案・運営し、司令塔機能を強化してきた。現在、同会議のもとでは、SIPやImPACTなど、イノベーション創出のための新たなプログラムが進められている。今後は、研究開発法人を中核としたイノベーションハブを形成し、技術シーズを実用化・事業化に結び付ける「橋渡し」機能を強化するなど、「世界で最もイノベーションに適した国」を目指していく。

元村有希子 (毎日新聞編集編成局デジタル報道センター編集委員)
イノベーション政策に関しては、これまでは各省庁がバラバラに取り組んでいて、その全容をつかむことが難しかった。司令塔機能を強化したことによって、国民にわかりやすく広報できるチャンスだ。現在の施策のなかでも、ImPACTについては、ハイリスクハイリターンを目指すと言い切っているところに注目している。また、イノベーションにはダイバーシティーが必須であり、理系、特に工学系の女性を増やすことが課題である。そのためには、若い人たちが憧れるようなロールモデルを戦略的に確立することも重要である。

須藤 亮 (司会:経団連産業技術委員会企画部会長/東芝常任顧問)
経団連では、SIP、ImPACTに積極的に応募するよう会員企業に呼びかけた。今後は、継続した予算確保と制度の定着を求めていきたい。また、大学の改革と研究開発法人の改革は一体で行うべきである。経団連としては、国に提言するだけでなく、研究開発法人の橋渡し機能の強化に積極的に関与していきたい。

  • ●科学技術イノベーションの意義と政策の現状
  • SIP、ImPACTの継続した予算確保を
  • 総合科学技術・イノベーション会議は科学技術イノベーション政策の司令塔
  • ImPACTはフレキシビリティーが鍵になる
  • ●世界に冠たるナショナル・イノベーション・システムの構築
  • 地域の地場力を活かせる新たなクラスター形成
  • 数値目標で縛り過ぎず、多様性や自由を担保することが大切
  • 研究開発法人を中核とした「イノベーションハブ」
  • 大学を再編・統合して機能分化を進めよ
  • 大学改革は政府がトップダウンで進めるべき
  • 大学院拡充政策は失敗、理系女子をいかに増やすか
  • ●科学技術イノベーションが開く未来
  • 再生医療、ロボティクスは日本のリーディングフィールド
  • 2020年は、新幹線、衛星中継に匹敵するイノベーションを
  • 2020年はゴールではなくマイルストーン

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