民間企業主導のイノベーション
アベノミクスにより、長く続いた日本経済の縮み志向が打破された。アベノミクスの第三の矢、成長戦略の実を挙げるために、今こそ、企業経営者ががんばらなければならない。技術革新により、顧客にとって新たな価値を創造すること、すなわち、民間企業主導のイノベーションを展開していかなければならない。政府に要求するだけでなく、企業がリスクをとってイノベーションに挑戦し、成長をけん引しなければならない。
アベノミクスにより、長く続いた日本経済の縮み志向が打破された。アベノミクスの第三の矢、成長戦略の実を挙げるために、今こそ、企業経営者ががんばらなければならない。技術革新により、顧客にとって新たな価値を創造すること、すなわち、民間企業主導のイノベーションを展開していかなければならない。政府に要求するだけでなく、企業がリスクをとってイノベーションに挑戦し、成長をけん引しなければならない。
2011年3月の東日本大震災から4年が経過した。この間も、全国で甚大な被害をもたらした自然災害が発生している。そうした被害を最小化すべく、産学官挙げての取り組みが求められるが、経団連としても具体的な提言を行うなど精力的に取り組んでおり、2013年6月には、地域基盤強化委員会を新設し、日本のハード、ソフト両面から、国土強靭化について検討を深めている。これらの取り組みを踏まえ、レジリエントな経済社会の構築に向けて今何が必要とされているのか議論する。
日本は災害多発国である。高度成長期に構築された社会インフラの老朽化も進むなかで、自然災害から国民の生命・財産を守る国土強靭化は、喫緊の課題である。安心・安全な国づくり、地域づくりに向けて、国は、そして経済界は、いかに取り組むべきか。国土強靭化政策推進のキーマン・二階俊博氏に、大塚陸毅副会長がお話を伺うとともに、経団連としての考えや取り組みを紹介した。
二階俊博 (自由民主党総務会長・国土強靭化総合調査会長)
大塚陸毅 (経団連副会長・地域基盤強化委員長/東日本旅客鉄道相談役)
川合正矩 (経団連地域基盤強化委員会共同委員長/日本通運会長)
東日本大震災の経験から、迅速で効率的な復旧活動を行うためには、法令の弾力的運用や規制緩和が必要だと考えている。また、当社を含む日本の物流大手企業は海外に進出しているが、平常時のロジスティックサービスだけでなく、災害時における貢献を念頭に置いて事業展開していくことが重要である。加えて、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催に向けて、国内交通インフラの老朽化対策、効率化も進めなければならない。
中島正愛 (京都大学防災研究所教授)
SIPでは、府省連携と社会実装が大きな課題である。このSIPで開発するICTを活用した災害情報共有システムは、企業のBCP策定にも貢献できる。日本は自然災害のデパートと言っても過言ではない。自然災害と長年向きあってきたわが国の経験と技術は、世界の防災・減災対策に貢献できる。個別の技術だけではなく、ハードとソフトを統合したパッケージとして海外に展開していくことが必要である。
橋本孝之 (経団連防災に関する委員会共同委員長/日本アイ・ビー・エム副会長)
経団連の防災に関する委員会は、東日本大震災の後、毎年、防災・減災対策に関する提言を行っている。その提言では、会員企業における防災・減災対策の現状を調査し、BCPの策定を促すとともに、政府への要望を掲げている。さらに今年は、会員企業が持つ防災・減災に関する技術を集約し、3月に仙台で開催される国連防災世界会議において世界に向けて発信をする。今後、防災・減災への取り組みを企業のなかでも主流化していくことが必要。
本田茂樹 (インターリスク総研総合企画部特別研究員/防災に関する委員会委員)
南海トラフ巨大地震、首都直下地震への備えが焦眉の急である。そのことを考えると、企業のBCP策定の取り組みを加速すべきである。レジリエントな社会を構築するためには、産学官に「民」を加えたオールジャパン体制が求められる。国が国土強靭化基本法などの法整備を進め、企業がBCPを策定する一方、国民一人ひとりが「自助」の意識を持つことも重要である。インフラ等ハード面の整備に加え、平常時からの教育・訓練、リスクコミュニケーションといったソフト面の取り組みが必要であろう。
椋田哲史 (司会:経団連専務理事)
防災・減災に関する経団連の取り組み
柄澤康喜 (経団連防災に関する委員会共同委員長/三井住友海上火災保険社長)
生態系を活用した防災・減災と企業活動
佐藤正敏 (経団連経団連自然保護協議会会長/損害保険ジャパン日本興亜相談役)
南海トラフ地震に向けた高知県の挑戦
尾崎正直 (高知県知事)
中部圏の強靱化に資する連携強化と防災・減災対策の推進
三田敏雄 (中部経済連合会会長)
石油業界の防災・減災対策について
松井英生 (石油連盟専務理事)
お客様の生命を守り、首都機能を維持するために
~東京メトロにおける自然災害への備え
奥 義光 (東京地下鉄社長)
阪神高速の防災・減災と災害に強いネットワークへの取り組み
山澤倶和 (阪神高速道路社長)
民間による防災・減災対策について
井出恵士 (三菱地所ビル運営事業部長)
水害に関する政府の取り組み
日原洋文 (内閣府政策統括官(防災担当))
わが国の火山防災の現状と課題
井口正人 (京都大学防災研究所教授)
首都圏強靱化計画で首都直下地震対策の万全を
中林一樹 (明治大学大学院政治経済学研究科・危機管理研究センター特任教授)
【提言】
活力溢れる地方経済の実現に向けて
~活性化に向けた経済界のアクション
http://www.keidanren.or.jp/policy/2015/014.html
畔柳信雄 (経団連副会長・道州制推進委員長/三菱東京UFJ銀行特別顧問)
【提言】
重要インフラ等に対するサイバーセキュリティ対策を求める
~サイバーセキュリティ対策の強化に向けた提言
http://www.keidanren.or.jp/policy/2015/017.html
中西宏明 (経団連副会長・国の基本問題検討委員長/日立製作所会長)
新しい日タイ経済関係の構築に向けて
~第23回日タイ合同貿易経済委員会を開催
小林栄三 (経団連審議員会副議長・日タイ貿易経済委員長/伊藤忠商事会長)
志賀俊之 (経団連日タイ貿易経済委員会共同委員長/日産自動車副会長)
今、日本から始まるがん撲滅への挑戦!
~「第一回がん撲滅サミット」へのご参加・ご支援のお願い
林 基弘 (東京女子医科大学脳神経外科講師・ガンマナイフ治療室長/第12回国際定位放射線治療学会学術大会長)
未来を創る企業力 (9) ~100年経営の真髄に迫る~
独自性に満ちた製品と人材で、より確かな信頼関係を構築。
日本新薬
農業の競争力強化と成長産業化に向けた経済界と農業界の連携・協力 (6)
先進的農業経営に必要な人材の育成
三菱総合研究所
震災復興の現場から (9)
被災地を利活用する支援への転換を
福井英俊(宮城県東松島市復興政策部復興政策課)
あの時、あの言葉
小売業の意義を知った「ありがとう」の一言
井阪隆一(セブン‐イレブン・ジャパン社長)
Essay「時の調べ」
空海の真実を求めて
竹内信夫(東京大学名誉教授)