1. トップ
  2. 月刊 経団連
  3. 2023年
  4. 5月号
月刊 経団連

月刊 経団連2023年5月号

特集 世界最先端のバイオエコノミー形成に向けて

巻頭言

終わりと始まり

小堀 秀毅 (経団連副会長/旭化成会長)

2023年は日本がG7議長国を務める大事な年であり、世界における日本の存在感を高める絶好の機会である。また5月から新型コロナが5類に移行され、ニューノーマルで安心安全な日本社会の実現に踏み出す大きな転機となる。

続きを読む

特集

世界最先端のバイオエコノミー形成に向けて

バイオ産業は、医薬品のみならず、素材、食品、繊維、エネルギーなど、あらゆる分野で飛躍的な拡大を見せており、持続的な経済成長のみならず、今後、地球温暖化、資源制約、食糧危機、海洋汚染、新興感染症・難病など世界が直面している様々な社会課題の解決に重要な役割を果たすと期待されている。こうした中、経団連では2022年にバイオエコノミー委員会を新設し、今般、提言「バイオトランスフォーメーション(BX)戦略 ─BX for Sustainable Future」を公表した。

座談会:世界最先端のバイオエコノミー形成に向けて

  • 小坂 達朗 (経団連審議員会副議長、バイオエコノミー委員長/中外製薬特別顧問)
  • 阿部 啓子 (バイオインダストリー協会代表理事会長/東京大学大学院特任教授)
  • 冨田 勝 (慶應義塾大学先端生命科学研究所所長(当時))
  • ■ 日本におけるバイオテクノロジーの現状
  • バイオ注目の背景と社会への影響
  • 世界の動向とJBAの役割
  • ベンチャーに共通する使命感
  • ■ 目指すべき方向性と具体的なアクション
  • 産学官のマッチングの重要性
  • 我が国のバイオの強みと課題
  • ■ 政府やメディアに期待する役割
  • 人材育成のための仕組みと投資
  • 地域バイオコミュニティの役割

提言「バイオトランスフォーメーション(BX)戦略
─BX for Sustainable Future」の概要

https://www.keidanren.or.jp/policy/2023/015.html
 (経団連産業技術本部)

  • 目指す姿
  • 5つの戦略

日本のバイオ戦略の課題と展望
 高市 早苗(内閣府特命担当大臣(科学技術政策))

  • バイオ戦略の位置付け
  • これまでの取り組み
  • 今後の展望

バイオものづくり革命の実現に向けて
 西村 康稔(経済産業大臣)

  • バイオテクノロジーの躍進
  • 激化する国際競争
  • バイオものづくり革命の推進
  • 創薬・再生医療分野の取り組み強化

ギンコ・バイオワークスの事業概要と日本のバイオ産業への示唆
 ジェイソン・ケリー(ギンコ・バイオワークス共同創業者・CEO)

  • バイオ産業に関する米政府の方針
  • ギンコ・バイオワークスの事業概要
  • 日本のバイオ産業への示唆

日本のバイオファウンドリを成功させるための戦略的ヒント
 山本 一彦(神戸大学大学院科学技術イノベーション研究科教授)

  • 注目を集めるバイオファウンドリ
  • 半導体ファウンドリとバイオファウンドリ
  • バイオファウンドリの成功戦略

バイオトランスフォーメーション 企業事例

私たちの星では今、地球温暖化や資源制約、食糧危機、
海洋汚染、難病や新たな感染症など、地球規模の社会課題が尽きない。
そんな様々な課題を最新のバイオテクノロジーで解決し、
社会のあり方そのものを大きく変革させる。それがBXである。
本特集では、カテゴリー別に5社の取り組み事例を紹介する。

工業・エネルギー
バイオエタノールからの基礎化学品の創出
 (旭化成)

農業・植物
CO2循環型食料システム
 (パナソニックホールディングス)

健康・医療
細胞医療・遺伝子治療
 (アステラス製薬)


海洋微細藻類によるカーボンリサイクル型燃料等の開発
 (電源開発(J-POWER))


微生物排水処理システムの開発
 (住友化学)

バイオ分野での産学官連携が広がる沖縄県
─地域バイオコミュニティの実践例

沖縄県はバイオ産業を含む健康・医療分野を成長分野と位置付け、全域で研究施設や大学、企業による産学官連携を進めている。2000年に策定された沖縄県科学技術振興大綱を契機に、本格的な科学技術振興を始動して以来、沖縄工業高等専門学校や沖縄科学技術大学院大学(OIST)が創設されるなど、県内大学・企業とのネットワーク形成が進んでいる。各種支援事業や税制優遇措置、雇用・投資に対する助成金など、バイオ関連を含めた幅広い分野の支援策も充実しており、本島中央の中城湾新港地区は沖縄県の加工交易型産業拠点として経済特区に指定され、ライフサイエンス系企業やインキュベーション施設等の整備が進んでいる。こうした取り組みを通して、企業集積や共同研究の成果が特許出願登録や製品化、事業化、さらに大学発ベンチャー創設などにつながり、2022年には内閣府から「地域バイオコミュニティ」に認定された。
経団連では、小坂達朗バイオエコノミー委員長をはじめ同委員会およびスタートアップ委員会のメンバーが、沖縄の科学技術振興の中核的な支援組織である沖縄科学技術振興センター(OSTC)、国際的・学際的な研究拠点である沖縄科学技術大学院大学(OIST)、ユーグレナの研究開発拠点である生産技術研究所を訪問。各拠点で実施されている研究開発や産学官連携の実態に触れた。

沖縄のバイオコミュニティを世界へつなぐ拠点
 (沖縄科学技術振興センター)

世界最先端の研究を育みイノベーションを創出
 (沖縄科学技術大学院大学)

大学発スタートアップへさらなる投資を
 出雲 充(経団連審議員会副議長、スタートアップ委員長/ユーグレナ社長)

ページ上部へ戻る

一般記事

【提言】
戦略的なインフラシステムの海外展開に向けて

─2022年度版を公表
https://www.keidanren.or.jp/policy/2023/017.html
 安永 竜夫(経団連副会長、開発協力推進委員長/三井物産会長)
 遠藤 信博(経団連副会長、開発協力推進委員長/日本電気特別顧問)

  • 質の高いインフラシステムのメリットをホスト国・地域に訴求する
  • ホスト国・地域の戦略・ニーズに見合う技術・製品・サービスを提供・運営管理する
  • 今後、取り組みを強化すべき分野・地域はどこか

【提言】
こども・子育て政策の強化に関する考え方

https://www.keidanren.or.jp/policy/2023/018.html
 永野 毅(経団連副会長、人口問題委員長/東京海上ホールディングス会長)
 清水 博(経団連人口問題委員長/日本生命保険社長)
 井上 和幸(経団連人口問題委員長/清水建設社長)

  • 企業が自ら取り組むべき課題とは
    1. (1) 結婚の希望を実現するための「分厚い中間層の形成」
    2. (2) 男性の家事・育児を日常的なものに
  • 財源と負担に関する国民的議論の必要性

【提言】
宇宙基本計画に向けた提言を公表

─宇宙安全保障の確保と宇宙産業基盤の強化に向けて
https://www.keidanren.or.jp/policy/2023/019.html
 漆間 啓(経団連宇宙開発利用推進委員長/三菱電機社長)

  • 宇宙政策の重要事項
    1. 宇宙安全保障の確保
    2. 宇宙産業基盤の強化
  • 宇宙関係予算の確保

【報告】
ベトナムミッションを派遣

─外交関係樹立50周年を迎え、新たな日越経済関係の構築に向けて前進
 市川 秀夫(経団連審議員会副議長、日本ベトナム経済委員長/
レゾナック・ホールディングス相談役)
 藤本 昌義(経団連日本ベトナム経済委員長/双日社長)
 兵頭 誠之(経団連日本ベトナム経済委員長/住友商事社長)

  • 日越共同イニシアティブ第8フェーズを総括
  • チン首相はじめベトナム政府首脳と懇談

【報告】
日タイは重要なパートナーとして、グローバルな課題解決に取り組む

─訪タイ・ミッションを派遣
 鈴木 善久(経団連審議員会副議長、日タイ貿易経済委員長/伊藤忠商事専務理事)
 鈴木 純(経団連日タイ貿易経済委員長/帝人取締役シニア・アドバイザー)

  • 第24回日タイ合同貿易経済委員会を開催
    新たな産業協力の可能性を議論
  • 主要閣僚から示された日本への強い期待
  • NSTDAタイランド・サイエンスパーク視察
  • 持続的な成長実現に向けて、日タイ連携・協力の加速を

【報告】
日台経済の発展と共通課題の解決に向けた協力関係の重要性を確認

─第50回東亜経済人会議を開催
 飯島 彰己(経団連東亜経済人会議日本委員長/三井物産顧問)

  • 日台経済の概況
  • 重要性を増す半導体産業における日台協力
  • 日台が協力し、内外の共通課題の解決を
  • ポストコロナにおいて期待が高まる観光振興

課題設定能力を伸ばすために
─東京大学エグゼクティブ・マネジメント・プログラム
 高梨 直紘(東大EMPセクレタリー・ジェネラル/東京大学特任准教授)

  • 研究者との対話を通じ思考フレームを会得する
  • 未完成な研究過程にこそ面白さと学びがある

連載

新会員紹介

「月刊 経団連」一覧はこちら