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月刊 経団連  座談会・対談 複雑さを増す世界におけるOECDへの期待

稲垣 精二
経団連審議員会副議長、OECD諮問委員長
第一生命ホールディングス会長

エマ・マルチェガリア
B7イタリア2024議長、BIAC副会長、マルチェガリアホールディング会長兼CEO

新美 潤
OECD日本政府代表部特命全権大使

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OECDは、国際経済の広範な課題を取り扱うフォーラムとして、自由で開かれた国際秩序の形成に大きな役割を果たしてきた。しかし近年、米中両国の対立やロシアのウクライナ侵略などによる地政学的な緊張により世界は分断の危機に直面している。また先進国の世界経済に占める割合が低下しグローバルサウスが台頭する中、グローバルガバナンスのあり方が問われている。
そこで本座談会では、現下の国際情勢を踏まえ、自由で開かれた国際秩序の再構築に向けた方策を考察したうえで、OECDの意義や果たすべき役割、日本の貢献方法などについて議論する。

新美 潤 しんみ じゅん
OECD日本政府代表部特命全権大使

1983年一橋大学法学部卒業、同年外務省入省。国際連合日本政府代表部一等書記官、経済局国際経済第一課長、在アメリカ合衆国日本国大使館公使(2007年8月)を経て、在エチオピア日本国大使館兼在ジブチ日本国大使館大使(2010年7月)。大臣官房参事官兼総合外交政策局(国連担当大使)(2013年1月)、大臣官房国際文化交流審議官(大使)(2015年6月)を務め、在スロバキア日本国大使館特命全権大使(2016年3月)、特命全権大使(アフリカ開発会議担当,国連安保理改革担当、人権担当)(2020年2月)、国際平和貢献、国際貿易・経済担当特命全権大使(2020年10月)、アフリカの角地域関連担当などを歴任し、2022年11月から現職

エマ・マルチェガリア
B7イタリア2024議長、BIAC副会長、マルチェガリアホールディング会長兼CEO

ボッコーニ大学経営学部卒、ニューヨーク大学で経営学修士号取得
製鉄・鉄鋼を中核事業とするイタリア屈指の企業連合マルチェガリアで、マルチェガリアホールディング会長兼CEOなどを務める
イタリア産業連盟会長(2008~2012年)、ルイス自由大学理事長(2010~2019年)、ビジネスヨーロッパ会長(2013~2017年)、Eni(イタリアの石油・ガス会社)会長(2014~2020年)を歴任。いずれも女性が就任したのは初めて。2020年11月から1年間、B20議長を務め、G20ビジネスサミット(B20サミット)を成功に導く
2024年1月にB7議長に就任。BIAC副会長、ISPI(イタリア国際政治研究所)副会長も務める

稲垣 精二 いながき せいじ
経団連審議員会副議長、OECD諮問委員長
第一生命ホールディングス会長

1986年第一生命保険入社。2012年第一生命保険執行役員、2015年常務執行役員、2016年同取締役常務執行役員、第一生命ホールディングス取締役常務執行役員、2017年代表取締役社長、2022年同代表取締役社長(Chief Executive Officer)に就任。2023年から現職

原 一郎 はら いちろう
司会:経団連常務理事

  • ■ 国際情勢に対する現状認識
  • 地政学的な混沌の中でのOECDの役割や意義の重要性
  • 自由で開かれた国際秩序の再構築は、経済界にとって最優先事項
  • グローバルサウスと共に新たなコモンズの再構築を
  • ■ 自由で開かれた国際秩序の再構築に向けて
  • 国際議論への積極的な参画が求められる日本
  • 国際社会が抱える諸問題を多面的アプローチでリードすることが必要
  • 経済活動と安全保障とが密接不可分となった時代の課題
  • ■ 各国政府やOECD等の国際機関に求められる役割
  • 議長国のローテーションでは継続性が重要
  • OECDに期待する三つの役割
  • 徹底した熟議による意思決定プロセス
  • ■ 課題に対するそれぞれの立場からの貢献
  • 企業にはOECDの意思決定に積極的に関与を
  • 熟議を通したコンセンサスで一つにまとまっていく
  • 官民連携での取り組みを通じた貢献

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