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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2013年4月4日 No.3126 日本政治における民主主義とリーダーシップ -21世紀政策研究所第100回シンポジウム

経団連の21世紀政策研究所(米倉弘昌会長、森田富治郎所長)は3月21日、東京・大手町の経団連会館で第100回シンポジウム「日本政治における民主主義とリーダーシップのあり方」を開催した。

冒頭、森田所長が開会あいさつし、「山積する政策課題の解決のためには、強力な政治のリーダーシップが必要である。本日報告される民主主義とリーダーシップについての具体的提言に期待し、それを政治が自ら実行していくよう国民各層に理解を求めたい」と述べた。

その後、同研究所の日本政治プロジェクトの研究主幹である北川正恭・早稲田大学公共経営大学院教授から、これまでの研究会の成果を取りまとめた「提言」が報告された。日本の政治の諸問題の要因として「リーダーシップの欠如」と「ポピュリズム化した民主主義」の2点を挙げ、これらを解決する処方箋として「参議院改革によるねじれの弊害の解消」「政党ガバナンスの強化」「政治教育と政治家の育成」の三つを提言、それぞれについて詳しく解説を加え、具体策を提示した。

■ パネルディスカッション

続くパネルディスカッションでは、パネリストとして逢沢一郎・自由民主党政治制度改革実行本部長、馬淵澄夫・民主党幹事長代理兼政治改革推進本部事務局長に加え、同プロジェクト副主幹の岩井奉信・日本大学法学部教授、同委員の片木淳・早稲田大学公共経営大学院教授、飯塚恵子・読売新聞編集委員が参加し、北川研究主幹の進行のもと、活発な討議が行われた。

逢沢議員は、ねじれ国会の運営においては、昨年秋の3党合意のように、野党とも丁寧に協議を重ねていく必要性を強調、政治改革についてはネット選挙や衆議院の定数削減案の上程スケジュールなどに言及した。

一方、馬淵議員は、同プロジェクトの提言を国会と政党の改革ととらえ、民主党政権時代に国会法改正に尽力したことを紹介、また民主党議員に組織運営の経験者が少なかったことでガバナンスが効かなかった実情に触れ、選挙を通じたガバナンスの強化と政党法の必要性を訴えた。

その後、岩井副主幹がマニフェストの作成過程とネット選挙について政党ガバナンスの観点から、片木委員が両院協議会の活用とドイツの政治教育を紹介しつつ日本の政治教育の可能性について、飯塚委員が政治家の育成と衆議院の定数削減の進捗について、それぞれ両議員に質問を行った。

さらに会場からは、保岡興治・衆院政治倫理確立公職選挙法改正特別委員会委員長から公職選挙法改正案の上程についての補足説明があった。また政治改革への覚悟を問う声なども上がり、会場は熱気に包まれた。

両議員も個々の質問に対し、持論を交えながら丁寧に回答し、いずれも夏の参議院選挙に向けて国民に成果を問う決意を表明した。

シンポジウムを通じ、政党がしっかりとしたガバナンスを確立したうえで政治家を育成し、議論を尽くして政策を練り、果断に実行に移していくべきこと、選挙を通じ、政治教育を受けた国民の肥えた目にさらされることにより、より一層の政党と政治家の成長が見られるであろうことが確認できた。

◇◇◇

同シンポジウムの詳細は新書としてまとめ、また日本政治プロジェクトの研究報告書も今春、公表する予定である。

【21世紀政策研究所】

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