経団連は13日、東京・赤坂の迎賓館で、日本政府の招聘で訪日したトルクメニスタンのベルディムハメドフ大統領との懇談会を開催した。米倉弘昌会長、坂根正弘副会長、小島順彦副会長、勝俣宣夫副会長、大宮英明副会長、佐々木則夫副会長、中村芳夫副会長・事務総長、岡素之日本NIS経済委員長ら経団連幹部が出席した。会合におけるベルディムハメドフ大統領の発言概要は次のとおり。
■ エネルギー・鉱物資源開発における協力の可能性
トルクメニスタンには世界有数の埋蔵量を誇る天然ガスをはじめ、多種多様なエネルギー・鉱物資源が賦存している。しかしながら、詳細な探鉱や地質調査が不十分な地域が多く残る。特に国の東部やカスピ海の大陸棚は有望であり、すでに東部のマル州では、世界屈指のガス田の存在が確認されている。日本企業には、海上プラットフォームの建設や海底掘削などの豊富な経験を、資源開発に活用してほしい。
■ 産業の高付加価値化を志向
今回の訪日では、日本企業と経済分野における各種の覚書に署名した。これらに基づき、国内の石油・ガスを活用し、肥料や硫酸、グリーン燃料の製造、ガソリンの精製などの互恵的なプロジェクトが進展するよう願っている。トルクメニスタンでは、資源開発ならびに関連する産業に加えて、建設業の規模が大きく、また、食品製造なども積極的に展開している。現在、産業は西部を中心に発展しているが、東部や周辺国との国境地域の開発も徐々に進めていきたい。道路や鉄道橋などのインフラも整いつつあり、日本企業にはトルクメニスタン全土で活躍してほしい。
■ 幅広い分野で日本企業との協力関係の強化を
日本企業による各種プロジェクトの実施や投資を歓迎している。トルクメニスタンの労働力を活用することはもちろん、教育・訓練を通じた人材育成における貢献にも期待している。これに関連し、日本語教育の重要性も認識している。
トルクメニスタンの厳しい気候・環境のなかで稼働する建設機械や高度な医療を可能とする超音波診断装置など、日本企業の技術・製品を高く評価している。また、わが国ではマラリア対策も課題となっている。今回の訪日を契機に、幅広い分野における日本企業との協力関係の一層の強化に向けて、政府として支援していきたい。
【国際経済本部】