経団連は1月22日、都内で、超党派の「国際観光産業振興議員連盟(IR議連)」の幹事長を務める岩屋毅衆議院議員(自由民主党)を講師に迎え、IR議連が2012年末に国会に提出した「特定複合観光施設区域の整備に関する法案」(IR(Integrated Resort)推進法案)について説明を聞くとともに、意見交換を行った。会合には、大塚陸毅副会長・観光委員長をはじめ企業・団体から約140名が参加した。岩屋議員の説明の概要は次のとおり。
■ IR推進法案の目的・背景
IR議連は、カジノを含む特定複合観光施設(IR)の整備について議論してきた。その目的はカジノ合法化ではなく、国際観光振興のために競争力のあるIRを整備することである。IR議連には、日本共産党と社会民主党を除くすべての政党から議員が参加している。
■ IR推進法案の概要
IRは、カジノ施設、会議場施設、宿泊施設等が一体となった施設で、民間事業者が設置運営する。カジノ単体の設置は認めない。また、カジノは地方公共団体の申請に基づき国の認定を受けた区域(特定複合観光施設区域)にのみ設置できる。
特定複合観光施設区域は、地方公共団体の構想を尊重する一方、国も適切な監視を行う。このため内閣府の外局としてカジノ管理委員会を設置し、カジノ施設関係者に対する規制を行う。国および地方公共団体は、カジノ施設の設置・運営者から納付金、入場者から入場料を徴収できる。
上記を実現するため、内閣に総理大臣を本部長、全閣僚を本部員とする推進本部を設置し、本部は必要な法律案および政令案の立案等を行う。
■ 今後の見通しなど
法案については、自民党、日本維新の会、生活の党がすでに党として賛成しており、今後もできるだけ多くの理解を得るよう努力する。法案成立後は政府が1年以内をめどに実施法の作成に取り組むこととなる。IR議連としては実施法の内容に関する「基本的考え方」もまとめている。昨年は、訪日外国人旅行客が初めて1千万人を超えたが、日本はいまだ観光後進国だ。IRで課題がすべて解決するわけではないが、観光立国の起爆剤にはなる。経済界の理解と支援をお願いする。
【産業政策本部】