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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2014年4月17日 No.3174 「景品表示法への課徴金制度導入に対する意見」を公表 -課徴金制度の導入について慎重かつ十分な検討求める

経団連は15日、提言「景品表示法への課徴金制度導入に対する意見」を取りまとめ、公表した。
提言では、事業者が適正な表示を行うためのガイドラインの整備の必要性を示しつつ、課徴金制度の導入については慎重かつ十分な検討を求めている。
提言の概要は次のとおり。

■ 基本的な考え方

昨年の食品表示に関する一連の不正事案を受け、各事業者はコンプライアンスを徹底して適正な表示を確実なものとし、消費者の信頼を得ることを最優先させなければならない。そのためにも政府は、事業者が表示を作成する際に参考となるわかりやすいガイドラインの策定および周知徹底を急ぐべきである。あわせて、公正競争規約等の自主的に定めたルールに従って表示を行っている限り、景品表示法上問題とならないということを明確に確認すべきである。そのうえで、厳しい行政制裁である課徴金制度の導入については、悪質な行為に対する最終手段として慎重に検討をすべきである。

■ 課徴金制度の目的

課徴金制度を導入するのであれば、その制度目的は、独占禁止法と同様に違反行為の抑止とすべきであり、ここに消費者の被害回復という民事的な視点を持ち込むべきではない。

■ 対象事案の限定

課徴金の対象行為は、故意または重過失による優良誤認・有利誤認となる表示行為に限るべきである。
表示を行うあらゆる場合に課徴金のリスクが伴う制度では、事業者に混乱や萎縮効果が生じかねないことから、対象は、故意または重過失の事案に限定すべきである。例えば、小売店が取引先から提供された情報を信頼して表示を行ったという場合にまで課徴金を課すべきではない。なお、不実証広告規制については、実体的に不当表示と確定していない表示行為に課徴金を課すことになることから、課徴金の対象行為としては不適切である。
故意・重過失の存否も含め、課徴金を課すべき違法行為があったことの立証責任は当然行政が負うべきである。

■ 課徴金の水準および額

課徴金の水準については、独占禁止法上の不公正な取引方法にかかる課徴金制度と平仄を合わせるという観点から検討すべきであり、事業者が自主的に顧客に返金等を行った場合には課徴金額を減額するなど、事業者の自主的な取り組みを後押しする措置も必要である。

■ 手続保障および徴収した課徴金の取り扱い

課徴金を課すにあたって、弁明の機会等の適正な事前手続が保障されるべきことは当然である。徴収した課徴金については、他の課徴金制度と同様に国庫に入れるべきであり、これを消費者団体や被害者に配賦することは、課徴金制度の目的を踏まえると不適切である。

■ わかりやすいガイドラインの策定と周知

最後に、課徴金制度を導入するのであればなおさら、景品表示法違反か否かの判断に資するわかりやすいガイドラインの早期の策定および周知徹底を強く求める。

※全文は http://www.keidanren.or.jp/policy/2014/032.html 参照

【経済基盤本部】

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