経団連は9日、東京・大手町の経団連会館で情報通信委員会企画部会(武山芳夫部会長)の委員を中心とするメンバーで、インドソフトウェア・サービス協会(NASSCOM)と意見交換した。
冒頭、武山部会長は、日本で重視されているIT政策として、マイナンバー制度の導入と電子政府の推進について説明した。また、パーソナルデータの保護と利活用のバランスを確保するための制度整備が進められていることを紹介した。
NASSCOMのラマクリシュナン・チャンドラセカラン会長からは、インドの魅力や現状について説明があった。説明の概要は次のとおり。
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今年5月に新政権が発足し、日本を戦略的なパートナーと位置づけている。特にIT産業が協力していくことにより、両国の関係をさらに強化できると考えている。
昨年のインドIT産業は1180億ドル規模で年率13%(前年比)の高い成長を遂げており、2020年までに3000億ドル規模を見込んでいる。日本がITにかける支出は約1200億ドルであるにもかかわらず、インドへの支出はその約2%にすぎない。互いに協力することによって潜在能力をさらに拡大できる余地がある。
インドには、コンピュータサイエンスにかかわる大学の新卒者が毎年約40万人おり、日本のIT技術者不足を補うことができる。また、多くの多国籍企業が重要な研究開発拠点をインドに設置しており、イノベーションへの重要な貢献をしている。さらに、法体系として知財や機密保持の信頼性が高いことも魅力の一つである。
日本にとってインドは戦略的パートナーになり得ると考えている。NASSCOMと経団連の協力関係を強化することによって、両国経済の発展に貢献できる。
<意見交換>
意見交換では、インターネットガバナンスやパーソナルデータに関して、議論を深めることが互いの利益につながることを確認するとともに、日印両国の社会的課題を解決するための手段としてITが有用であることなどが議論された。
日印の協力関係をより強固なものとし、インドのIT業界と日本の産業界の発展のため、引き続き対話を行うことが重要であることが確認された。
【産業技術本部】