1. トップ
  2. Action(活動)
  3. 週刊 経団連タイムス
  4. 2014年9月11日 No.3191
  5. 日印ビジネス・リーダーズ・フォーラム開催

Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2014年9月11日 No.3191 日印ビジネス・リーダーズ・フォーラム開催 -共同報告書をモディ首相・安倍首相に手交

ババ・カリヤニ会長(右)と榊原会長

経団連は、インドのナレンドラ・モディ首相の来日にあわせて1日、東京・大手町の経団連会館でインド経済界代表とともに、日印ビジネス・リーダーズ・フォーラムを開催した。同フォーラムは、日本政府の要望により2007年以降、両国首脳の相互訪問にあわせて開催しており、日本側から榊原定征会長(日本側共同議長)はじめ18名、インド側からババ・カリヤニ・バラット・フォージ会長(インド側共同議長)はじめ20名が出席した。フォーラムでは討議を踏まえて共同報告書を取りまとめ、同日夜、両共同議長からモディ首相と安倍首相に提出、その実現を要請した。

1.日印共同議長開会あいさつ

榊原会長は冒頭の開会あいさつで、「本日の議論を踏まえて取りまとめる共同報告書での提言を単なる提言に終わらせることなく、確実に実現していく必要がある。経団連とインド工業連盟(CII)との間で具体的なフォローアップ・メカニズムを構築することで、本フォーラムの機能強化を図りたい。その一環として、次回の安倍首相の訪印前にインドに経済ミッションを派遣して、両国の経済協力の推進に努めたい」と述べた。

一方、ババ・カリヤニ会長は、「日印の貿易総額を両国の経済規模に匹敵する大きさに拡大させたい。そのためにも、先端技術分野への日本の投資により、インドから高付加価値製品を日本へ輸出できるようになると期待している」と述べた。

2.討議および共同報告書の概要

  1. (1)ビジネス環境整備
    日本側は、インドにおける円滑な土地収用、物品サービス税(GST)の早期導入、中央と州の徴税方針・制度の不整合の解消、知財権法等各種法制の国際的整合性確保等を求めた。インド側は、水産・農産品等の日本市場へのアクセス改善、専門職やコンピューター技師の査証取得の円滑化、ジェネリック医薬品等の輸出に関する非関税障壁の除去等を求めた。こうした問題を解決するため、日印双方は、日印包括的経済連携協定(日印CEPA)のもとに設置されている「ビジネス環境整備小委員会」を定期的に開催することで合意した。

  2. (2)インフラ整備の重要性と日印協力の推進
    インドのインフラ整備を加速するため、両国間でデリー・ムンバイ間等の産業回廊整備関連プロジェクトを推進することに加え、インドにおける法規制の緩和、許認可手続きの透明化・迅速化、需要保証の担保が重要であるとの認識で一致した。

  3. (3)戦略的分野およびグローバルな協力
    インドにおける高速鉄道や原子力発電などの戦略的分野に関する協力を一層進めていくことで合意した。さらに、中東やアフリカなどインド企業が進出している地域における協力可能性を探っていくことで合意した。

  4. (4)今後の進め方
    事務局に共同報告書の進捗をフォローアップするメカニズムを設置することで一致した。また日本側は、モディ首相訪日のフォローアップの一環として、安倍首相の次回訪印までにインドに経済ミッションを派遣することを表明した。

【国際協力本部】

「2014年9月11日 No.3191」一覧はこちら