経団連のアメリカ委員会(石原邦夫委員長、村瀬治男共同委員長)は20日、東京・大手町の経団連会館でペニー・プリツカー米商務長官ならびに米国ビジネス代表団との懇談会を開催した。プリツカー長官は、日米貿易・投資関係の強化に向け、米国のヘルスケア、エネルギー関連企業幹部を率いて来日。G・H・ブッシュ政権のモスバガー商務長官以来(1991年4月)、実に23年ぶりの商務長官を団長とする公式経済ミッションとなった。
懇談会におけるプリツカー長官の発言概要は次のとおり。
■ 日米パートナーシップはアジア・リバランス政策の要
オバマ政権は従来の世界戦略を見直し、政策の軸足を急成長するアジア太平洋地域に移すリバランス政策を採っている。日本とのパートナーシップはリバランス政策の中心をなすものであり、商務省はその経済的側面を担っている。日本との間で貿易・投資を促進していきたい。
現在、日本は米国にとって世界第4位の貿易パートナーであり、第2位の投資国である。他方、米国は日本にとって世界第2位の貿易相手国であり、最大の投資先である。このように両国は現在でも太い経済関係を有しているが、米国への直接投資をさらに拡大させていただきたいと考えている。
この観点から2011年、オバマ大統領は「セレクトUSA」イニシアティブをスタートさせた。これは、商務省を中心に連邦政府関係機関が協力して外国企業などに対米投資を促すという、連邦政府として初の試みである。昨年秋、ワシントンDCで第1回セレクトUSA投資サミットが開催され、世界中の企業人や連邦・州政府関係者が参加した。来年3月に、再度ワシントンDCでサミットを開催することとしており、ぜひ多くの経団連会員企業に参加いただきたい。
■ ハイレベルなTPP協定の実現には日米の協力が不可欠
日米の経済協力が、将来にわたって維持されるための基盤となるのがTPP(環太平洋経済連携協定)である。TPPにより、日米を含む参加国が多大な経済的恩恵を享受するためには、日米が主導しTPPをハイレベルな協定とする必要がある。TPP交渉がフィニッシュ・ラインに近づくには日本のリーダーシップが不可欠であり、経団連の協力を求めたい。
【国際経済本部】