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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2014年10月30日 No.3198 経済三団体共同要望書「医療保険制度改革への要望」を公表 -高齢者医療費の負担構造の見直しと医療の重点化・効率化を求める

要望について説明する斎藤副会長・社会保障委員長(中央)

経団連は23日、日本商工会議所、経済同友会と共同で「医療保険制度改革への要望」を取りまとめ、公表した。

年1兆円規模で増え続ける医療費は、社会保険料負担というかたちで企業や従業員の負担を際限なく高めている。賃上げによる可処分所得の増加を社会保険料負担の増加で相殺することとなれば、安倍政権のねらいである「経済の好循環」が頓挫しかねないとの懸念もある。

そこで来年の通常国会に医療保険制度改革に関する法案が提出されるこのタイミングにあわせ、経済三団体が共有する現在の医療保険制度に対する問題意識を明確に打ち出すため、要望書を取りまとめた。

なお、経団連では、要望書の趣旨に賛同する業界団体を募っており、23日時点で35の業界団体(経済三団体を含む)が賛同団体として要望書に名を連ねている。

要望書の内容は次のとおり。

1.高齢者医療費の負担構造の見直し

財源を現役世代の負担に過度に依存する現行制度を見直し、高齢者医療費への税投入を拡充することを求める。特に、2015年にはすべての団塊世代が前期高齢者となることを踏まえ、当面約10年間の対応を早急に図るべきである。

前期高齢者医療への税投入拡充等による被用者保険全体としての負担軽減策がないなかで、現役世代間の負担調整にすぎない後期高齢者支援金の全面総報酬割を導入することは再考すべきである。現役世代から高齢者医療への拠出金負担がすでに過大であることを踏まえるべきである。

高齢者医療制度改革の先送りは、現役世代の急激な負担増を黙認することとなる。子育て世代への支援を通じた少子化対策の強化を掲げる政権方針との親和性に欠けると言わざるを得ない。

2.医療給付の重点化・効率化施策の推進

医療給付の重点化・効率化なしには、医療保険制度を維持することは困難である。医療給付の重点化・効率化に向けて、実効性のある施策を早急に制度化することを求める。

【経済政策本部】

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