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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2014年11月20日 No.3201 イスラエル官民ミッションとの懇談会開催

経団連は6日、東京・大手町の経団連会館で、イスラエル首相府のハレル・ロッカー長官ならびにイスラエル製造業者協会のゼィヴィ・オレン会長をはじめとする官民ミッション(約30名)との懇談会を開催した。イスラエル側の発言概要は次のとおり。

■ 革新的な技術開発により多国籍企業の拠点に成長

天然資源に恵まれないイスラエルにおいて、成長のためには常に創造力と技術力が必要とされてきた。例えば、水資源に乏しいことから節水技術を発展させ、農業の競争力を高めた。酪農技術にも優れ、乳牛1頭あたりの産乳量は世界第1位であり、第2位のオランダを大きく凌駕している。ほかにも、サイバーセキュリティー、医療・医薬品、国土安全保障など幅広い分野において革新的な技術を有している。

1948年の建国当時の人口は約60万人であったが、持続的なイノベーションと移民政策によって、今日では約800万人にまで拡大、一人あたりGDPは約3万3000ドルにまで成長した。

中国、韓国、米国、ロシアなど日本の競合国は、革新的な技術を持つイスラエル企業との協業に前向きである。マイクロソフトやフェイスブック、シティバンク、グーグル、ヤフー、IBM、SAP、EMC、3Mなど、イスラエルに拠点を置く多国籍企業は枚挙にいとまがない。最近では、中国企業が地中海の港湾建設事業を受注するなど、大規模インフラ開発への外国企業の進出も進んでいる。今後、日本企業にもイスラエルへの積極的な進出を期待したい。

■ 政府間の枠組みを活用し産業研究開発の協力を促進

今年7月に茂木敏充経済産業大臣(当時)がイスラエルを訪問した際、ナフタリ・ベネット経済大臣との間で「産業研究開発協力に関する覚書」が締結された。この枠組みは、両国の共同研究開発の促進に資するものであり、ぜひ多くの日本企業に活用してほしい(添付資料参照)。

一方、締結に向けて交渉中の日・イスラエル投資協定については、若干の時間を要する。また、双方向の貿易拡大に向けて、自由貿易協定(FTA)締結に向けた取り組みを開始すべきである。わが国の日本からの輸入額は約14億ドルであり、過去10年間の増加幅は35%にとどまっている。アジアではインドとFTAを締結しており、現在中国やベトナムとも交渉中である。日本の自動車メーカーが、イスラエルへの自動車輸出に欧州やメキシコ、ブラジル、米国などFTA締結国・地域よりも7%も高い関税を支払い、競争力が劣後している現状を改善すべきではないかと考える。

今年は、経団連による訪イスラエルミッションや、ビンヤミン・ネタニヤフ首相の訪日、茂木経済産業大臣(当時)のイスラエル訪問など、二国間の交流が活発化しているところであり、日・イスラエル経済関係のさらなる緊密化を期待する。

<添付資料>

【国際経済本部】

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