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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2015年3月26日 No.3217 改正会社法施行規則、コーポレートガバナンス・コードへの実務対応を聞く -コーポレートガバナンス・コード実務対応セミナー開催

経団連は12日、東京・大手町の経団連会館でコーポレートガバナンス・コード実務対応セミナーを開催した。

改正会社法が昨年6月に公布されたことに伴い、会社法施行規則の改正に関する法務省令が2月に公布された。改正会社法および同施行規則は5月1日から施行される。

コーポレートガバナンス・コードについては、金融庁・東京証券取引所「コーポレートガバナンス・コードの策定に関する有識者会議」において、コードの基本的な考え方(原案)が5日に取りまとめられた。今後、原案を踏まえ、東証の上場規則が改訂され、6月1日から適用が開始される。

株主総会シーズンを控え、企業においては両規律に関する早急な対応が必要であることから、森・濱田松本法律事務所の澤口実弁護士、内田修平弁護士に、実務上の対応について説明を聞いた。

本号では、改正会社法施行規則に関する内田弁護士の説明概要、次号にコードへの対応に関する説明概要を掲載する。

改正会社法施行規則について

内田弁護士

1.社外取締役に関する規律

改正会社法により、所定の要件を満たす監査役会設置会社が事業年度の末日に社外取締役を1人も置いていない場合には、「社外取締役を置くことが相当でない理由」を株主総会において説明する義務が規定された。

同様に、改正施行規則においても、株主総会参考書類や事業報告において、社外取締役を置くことが相当でない理由を記載すべき旨の規定が追加された。

2.内部統制システムの充実

改正会社法により、内部統制システムの内容として、当該会社およびその子会社からなる企業集団の業務の適正を確保するための体制が明記された。

これを受けた改正施行規則では、企業集団の業務の適正を確保するための体制を具体化している。あわせて、監査を支える体制等に関する規定の充実・具体化も行っている。加えて、こうした体制も含め、内部統制システムの運用状況の概要を事業報告において開示することを求めている。

3.親子会社法制の見直し

改正会社法により、完全親子会社から成る企業グループの頂点に位置する株式会社(最終完全親会社等)の株主が、その重要な子会社(孫会社も含む)の取締役等の責任について代表訴訟を提起することができる多重代表訴訟の制度が創設された。

これを受けて、改正施行規則では、特定完全子会社(事業年度の末日において多重代表訴訟の対象となる要件を満たす子会社)に関する情報を事業報告において開示することとしている。また、親会社等との取引については、所定の事項を事業報告等で開示することとしている。

4.その他、経過措置等

以上のほか、改正施行規則では、事業報告等についてウェブ開示の範囲を拡大するなどしている。また、事業報告の記載事項等に関する一般的な経過措置があるほか、内部統制の運用状況の概要の開示など一部の規定については個別に経過措置があるため、留意が必要である。

【経済基盤本部】

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