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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2015年5月21日 No.3224 提言「多角的自由貿易投資体制の再構築を求める」を公表 -TPPの先を見据えて

経団連は19日、提言「多角的自由貿易投資体制の再構築を求める」を公表した。今年、WTO発足20年という節目を迎えるにあたって、多角的自由貿易投資体制の再構築に向けてWTO改革の方向性を取りまとめたもの。提言の概要は次のとおり。

■ わが国が目指すべき通商戦略

現在、日本を含む諸外国が、TPP(環太平洋経済連携協定)や日EU EPAなどメガFTAの締結に邁進する一方で、従来、国際経済秩序の要を果たしていたWTOのドーハ・ラウンド交渉は停滞している。世界161カ国で構成され、加盟国に同一の関税率・ルールを適用するWTOは、世界の経済成長に不可欠な通商レジームであり、引き続きわが国の通商戦略の基軸であるべきである。

■ WTOの有効性と課題

WTOには、(1)ラウンド交渉(貿易自由化、ルール・メイキング)(2)WTO協定の履行監視(3)貿易紛争解決――という主に3つの機能があるが、このうち、(2)(3)は世界の保護主義抑止に一定の役割を果たしている一方、ドーハ・ラウンドの停滞にみられるように(1)は機能不全に等しい状況である。

その原因として、まずWTOに内在する制度的課題すなわちシングル・アンダーテイキング(全交渉分野の一括合意)、コンセンサス(WTO全加盟国の合意)等の交渉方式が合意形成を困難にしている。

また、ドーハ・ラウンドが扱う分野の多くが関税であり、グローバル・バリューチェーンを拡大する企業の期待に応えられなくなっているという課題もある。

■ WTO改革に向けた検討の方向性

WTOのルール・メイキング機能の復活・強化に向けた改革の方策として、まず、交渉の先行きの見通しが立たないドーハ・ラウンドは一刻も早く区切りをつけ、既存の複数個国間または地域協定等を多国間協定に昇華するための新たな交渉を開始すべきである。次に、シングル・アンダーテイキングやコンセンサスを見直し、有志国間の枠組みを最大限用いつつ、現行WTO協定でカバーされないICT、投資、競争政策、環境等などの分野に取り組むことが求められる。

その際、ゼロベースで新たに交渉を行うのは時間がかかることから、TPPなど各種通商交渉の成果を活用し、これらを将来的に全加盟国に適用できるようWTO協定に取り込む必要がある。また、今後の交渉の透明性向上や時間軸の設定、交渉の進捗状況の確認のための作業計画を策定することが重要である。さらに、交渉への政治的なコミットメントを強化するため、WTO閣僚会合・高級実務者会合の毎年開催も検討すべきである。

■ 日本政府・経済界の取り組み

WTOの再構築という野心的な目標の実現に向けて、日本政府が世界の通商交渉をリードできるよう、政府一丸となった通商交渉体制の強化を検討すべきである。同時に、経団連も、通商交渉に経済界の意見を反映できるようWTOに対する経済界諮問組織の設立を検討していく。

※提言の全文は http://www.keidanren.or.jp/policy/2015/050.html 参照

【国際経済本部】

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