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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2015年8月6日 No.3235 分科会形式で「イノベーション」と「グローバリゼーション」をテーマに議論 -夏季フォーラム2015第3セッション

第3セッションでは、フォーラム初の試みとして、分科会形式で参加者間の討議を行った。今年はじめに公表した経団連ビジョンの柱である「イノベーション」と「グローバリゼーション」をテーマとする2つの分科会を設けた。

議論の主なポイントは次のとおり。

第1分科会=イノベーション(議長=内山田竹志副会長)

内山田副会長(第1分科会議長)

冒頭、内山田竹志副会長から「アベノミクス第三の矢は成長戦略であり、成長戦略のエンジンはイノベーションである。その観点から、わが国の新たな基幹産業としてどのようなものが考えられるか、その育成・発展に向けて産業界が果たすべき役割は何かについて、議論を行いたい」との発言があった。

続いて、問題提起として、中西宏明副会長から、「社会や顧客の理解」「オープンイノベーション」「ビッグデータの活用」の重要性、野路國夫審議員会副議長からは、「オープンイノベーション」および「テック・ベンチャー企業との協業」の必要性、小野寺正未来産業・技術委員長からは、「産業のサービス業化を踏まえたソフトウェアへの意識向上」「ベンチャー企業育成への産業界の貢献」の重要性などを指摘。

これらを受けた意見交換では、新たな基幹産業について「IoT(Internet of Things)、AI(人工知能)ならびにビックデータの活用がカギ」「少子高齢化、資源・エネルギー制約などの課題解決を目指すことも重要。スマートシティ産業が有力な候補」「地方創生の観点からは、観光産業も有望」「政府による国家戦略特区、規制緩和、税制優遇等のインセンティブ施策も不可欠」といった意見があった。

また、イノベーションによる産業競争力の強化に向けた産業界の取り組みとして、「企業間・異業種間連携や基礎から応用までビジョンを共有した本格的な産学官連携等のオープンイノベーションの推進」や、「ベンチャー企業の支援を含め、失敗を許容し、挑戦を促す企業風土への改革」の重要性を指摘する意見が多数出された。

第2分科会=グローバリゼーション(議長=石原邦夫副会長)

石原副会長(第2分科会議長)

冒頭、石原邦夫副会長から、グローバリゼーションをわが国の再生につなげていくために、今後、政府・経済界に求められる役割について意見交換を行いたいとの趣旨説明があった。

続いて、飯島彰己副会長から「国際的なルールづくりの後押し」「グローバル広報の拡充」「グローバル人材の確保・育成」「情報収集インフラの拡充」、木村康副会長から「エネルギー安全保障の確保」「気候変動問題解決への貢献」、宮永俊一副会長から「日本発のグローバル・ビジネスモデル」「グローバルなリスクへの対応力の強化」の必要性について、それぞれ問題提起がなされた。

これらを受けた意見交換では、次の5つのテーマについて議論が行われた。

第1に、「グローバルなルールづくり」では、TPP(環太平洋経済連携協定)締結への期待や、FTAAP(アジア太平洋自由貿易圏)の実現に向け、官民一体での取り組みが必要という意見が出された。

第2に、「エネルギー安全保障の確保、気候変動問題解決への貢献」については、エネルギー供給先の分散化や省エネ・低炭素技術やノウハウの海外移転等、国際貢献に資する取り組みの重要性が強調された。

第3に、「内なる国際化」では、技能実習制度のもとでのアジア諸国からの外国人材受け入れ拡大等について指摘があった。

第4に、「ジャパン・ブランドの構築、対外情報収集・発信機能の強化」に向け、国・地方・企業がブランドイメージを相互に関連させ、一体となって国内外へ発信することが重要との発言があった。

第5に、「グローバル人材の育成」については、日本企業のダイバーシティへの理解不足が指摘され、日本人社員のグローバル化や外国人材の登用の推進、日本人社員と外国人社員との価値観共有の重要性について意見が述べられた。

【政治・社会本部】

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