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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2015年10月22日 No.3243 エルドアン・トルコ大統領との懇談会開催

あいさつするエルドアン・トルコ大統領

経団連は8日、東京・大手町の経団連会館でトルコのレジェップ・タイップ・エルドアン大統領ならびにニハト・ゼイベキチ経済大臣との懇談会を開催。経団連側は山西健一郎日本トルコ経済委員長ら約40名、トルコ側はトルコ海外経済評議会のオメル・ジハド・バルダン会長ら官民約60名が出席した。エルドアン大統領とゼイベキチ大臣の発言概要は次のとおり。

エルドアン大統領

■ 今年は両国の絆を再確認する重要な年

トルコは19世紀後半から日本の政治経済上の重要性を認識し、友好関係を構築してきた。1890年のエルトゥールル号海難事故(注)の際には、アブデュル・ハミト2世と明治天皇の友好関係が協力の礎となった。日トルコ関係のシンボルであるエルトゥールル号海難事故から125年に当たる今年は、両国の戦略的パートナーシップを一層深化させる重要な年と確信している。

(注)エルトゥールル号海難事故=オスマン・トルコの訪日親善特使の船が日本からの帰路で沈没、乗組員581名が死亡したが、日本の手厚い救護で69名が救助された

■ 建国100周年に向けたトルコと日本の連携

トルコ建国100周年に当たる2023年に向けてインフラを一層整備し、世界有数の国へと発展させたい。また、両国の長期的かつ戦略的パートナーシップを構築する観点から、高速道路・鉄道や原子力発電所、さらに都市病院、両国共同の日トルコ科学技術大学ほか各種プロジェクトを積極的に推進していきたい。

ゼイベキチ経済相

■ トルコにとっての日本

トルコと日本の間にはかけがえのない友好関係が存在する。トルコ国歌を作詞した国民的詩人メフメト・エルソイは、日本人について次のような詩を書いている。

「聞き給え、日本人はいかなる民族か。その偉大なる民族はイスラムの純粋さを有している。正しさ、忠誠心、約束厳守、愛情、そして無力な者の権利を守り、いかなる者の権利も毀損せず、他人を尊重する。多くの人間の誇りといえる特性を私はみた」

トルコ国民の多くが微笑みをもって日本人を想起するゆえんである。

■ 日トルコ経済関係の拡大に向けて

両国の経済関係には大きなポテンシャルがあるが、二国間貿易ではトルコの大幅な輸入超過が続いている。長期にわたり一方のみが利益を享受し続ける貿易構造は持続可能とはいえない。

昨年12月以降、日・トルコ経済連携協定(EPA)交渉が3回行われているが今般、TPP(環太平洋パートナーシップ協定)が大筋合意に至ったことも受け、16年中に妥結すべく交渉を加速しなければならない。

また、欧州・アジア・中東・北アフリカの結節点に位置するトルコの地理的な特性を踏まえ、第三国への投資における連携も重要である。例えば今後の対イラン制裁解除も注視しつつ、政府系金融機関の融資スキーム等も活用し、第三国において農業や建設等の分野で協働することは、両国経済界にとって大きなビジネスチャンスとなろう。

【国際経済本部】

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