1. トップ
  2. Action(活動)
  3. 週刊 経団連タイムス
  4. 2016年3月31日 No.3264
  5. 福岡市のベンチャー支援の取り組みを聞く

Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2016年3月31日 No.3264 福岡市のベンチャー支援の取り組みを聞く -髙島市長と懇談/起業・中堅企業活性化委員会

説明する髙島市長

経団連の起業・中堅企業活性化委員会(荻田伍委員長、根岸修史委員長、立石文雄委員長)は16日、東京・大手町の経団連会館で会合を開催し、福岡市の髙島宗一郎市長から、同市が指定されている国家戦略特別区域「グローバル雇用・創業創出特区」におけるベンチャー支援の取り組みについて説明を聞くとともに懇談を行った。

■ 市の成長戦略としてのベンチャー支援

福岡市は人口の伸び率が高く、かつ「アジアの中心」としての立地にあること、ビジネスコストが首都圏と比較してリーズナブルであること等の強みを持ち、起業に適した街として評価されている。そこで、市長自らの米国シアトル等での経験をもとに、ベンチャー成長支援を市としての「成長戦略」に位置づけることとし、2012年に「スタートアップ都市ふくおか宣言」を行い、さらに14年の国家戦略特別区域「グローバル雇用・創業創出特区」への指定によって、強力な政策を多数実行している。

■ 大胆な規制緩和・税制優遇ときめ細かな相談体制整備

福岡市のベンチャー成長支援の強みは、街にヒト・モノ・カネを呼び込む大胆な規制緩和や税制優遇と、個々のベンチャー企業にフォーカスしたきめ細かな支援を一体的に実行しているところである。例えば、16年度から日本初となる「スタートアップ法人減税」が始まり、創業5年目までの企業がアジア近隣諸国に比肩する法人実効税率が実現する見込みである。また、外国人起業家の在留資格基準を緩和し、創業人材を呼び込む「スタートアップビザ」の仕組みや「スタートアップカフェ」という、ベンチャーが雇用・法律などについて常駐する弁護士に相談できるカフェ形式の場の整備など、工夫を凝らした施策を多数実行している。

特に「スタートアップカフェ」では、自然に起業家や起業を支援する人材が集まり、年に500回を超える市民主導のイベントが開かれ、その相談件数も開設前の5倍に増加するなどの成果が出ている。

■ これからの方向性

髙島市長は「日本は起業・創業大国になるポテンシャルがある」と述べ、多くの若者が、ベンチャーを興し日本を変えたいという思いを持っていると強調した。

また、今後、同市から欧米並みの成長性があるベンチャーを生み出すために、引き続きベンチャーと投資家が出会い、切磋琢磨する場を拡大していくとした。さらに福岡市として、ベンチャーと大企業・官公庁の人材マッチングを行うセンターの開設などを進め、引き続き人・技術・資金が好循環化するための仕組みづくりを加速させる旨表明した。

【産業技術本部】

「2016年3月31日 No.3264」一覧はこちら