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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2016年6月2日 No.3272 「消費者志向経営」めぐり意見交換 -消費者政策委員会企画部会

説明する河野氏

経団連の消費者政策委員会企画部会(高山靖子部会長)は5月12日、東京・大手町の経団連会館で会合を開催し、全国消費者団体連絡会の河野康子事務局長から「消費者志向経営において企業に求められること」をテーマに説明を聞くとともに、消費者志向経営および消費者団体のあり方について意見交換した。説明の概要は次のとおり。

現代の日本には、捨てるほどのモノや情報があふれ、価値観の多様化が進んでいる。そのような社会の変化のなかで、日本が今後どこへ向かっていくのか、われわれは考えなくてはならない。そうしたなかで、「世のため人のため」という考えに皆が立ち返ることが重要であり、企業には消費者の目線を尊重することが求められる。

「消費者目線が重要である」ということを国や企業の方に話すと、「国民一人ひとりが消費者なのだから、消費者の目線を尊重するのは当然だ」という言葉が返ってくることが多い。しかし、企業が消費者の目線を十分に重要視しているかというと、全体としてみた場合には、まだ十分とはいえないだろう。消費者は、情報量や交渉力等いろいろな意味でまだ弱い立場にいるということを、企業の皆さまには理解してほしい。

情報は消費者が商品・サービスを選択するために不可欠なものである。だからこそ企業には、積極的に情報開示をしてほしい。それによって、消費者と企業の間に双方向のコミュニケーションが生まれ、互いに信頼関係を構築できる。

他方、消費者には「倫理的消費」が求められる。一般の消費者は、自身の力で判断ができないからといって、行政や企業に判断を委ねがちである。消費者は自ら進んで学び、自身の責任を果たすことが重要である。例えば、電力小売自由化については、全国民が自ら主体的に判断・選択を行うという事例の1つになってほしいと考えている。

企業は胸襟を開いて消費者と向き合い、また同時に消費者も企業を理解することが重要である。企業と消費者は、しばしば対立する存在として世の中からみられがちである。だが、互いに相容れないわけではないと私は考えている。企業と消費者が互いの理解を深めることによって、安心・安全な消費環境が形成され、結果的には経済のさらなる発展も望める。

<意見交換>

その後の意見交換では、消費者団体における若者世代の意見の反映状況や、高齢者が消費者として情報を取捨選択する際に必要なサポートの実施状況等について、活発な意見交換がなされた。

続いて、今年4月に取りまとめられた「消費者志向経営の取組促進に関する検討会」報告書について、消費者庁の澤井景子消費者調査課長から説明を聞くとともに、質疑応答が行われた。

【政治・社会本部】

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