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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2016年7月14日 No.3278 電子行政の推進に向けた取り組みについて聞く -行政改革推進委員会

経団連は6月29日、東京・大手町の経団連会館で行政改革推進委員会(山本正已委員長)を開催し、遠藤紘一内閣情報通信政策監(政府CIO)から電子行政の推進に向けた政府の最近の取り組みについて説明を聞いた。
説明の概要は次のとおり。

1.3年間の取り組みの成果

政府においては、2001年のIT戦略本部発足以来、情報通信技術の利活用促進に向けたいくつもの戦略を策定してきた。

最初に策定した「e‐Japan戦略」は、ネットワークインフラの高度化が主眼であり、予算をつけて実行が進み成果が挙がったが、それ以降の戦略に盛り込まれたIT利活用の取り組みは十分な効果を挙げているとは言い難かった。

そこで、13年に「世界最先端IT国家創造宣言」(政府IT戦略)を策定し、法的に位置づけられた政府CIOの立場として、IT投資にかかる関係省庁へのヒアリングやレビューを500回以上行ってきた。

電子行政の推進を始め、IT戦略を成功に導くためには、(1)コスト意識・利用者視点の強化(2)対面・書面規制の撤廃(3)縦割り行政の打破が大変重要である。新IT戦略の遂行に取り組んだこの3年間の主な成果として、(1)情報システム数の削減(18年度までに12年度比で約63%減を達成する見込み)(2)運用コストの削減(21年度までに13年度比で約28%減の見込み)(3)ハローワークシステムの改革(慣例的な予算要求から利用実態に即した査定への転換)(4)国家公務員の人事・給与に関する共通システムの整備(16年度中の移行を予定)(5)法人設立手続き簡素化の推進(法人番号を用いた行政機関間の情報連携の合意を実現)(6)マイナンバー制度の円滑な導入(マイナンバーカードの国民への無償配布の実現)(7)農業分野への新規参入・規模拡大を後押しする「農地情報公開システム」(全国一元化の農地台帳)の整備(8)高度道路交通システムの実現に向けた官民一体での取り組みの推進――等が挙げられる。

2.今後の課題

今後は、国に加えて、地方公共団体の業務改革(BPR)・IT化にも焦点を当てていく。そのカギとなるのは「自治体クラウド」と「オープンデータ」である。現在、内閣官房IT総合戦略室がいくつかの意識の高い自治体を訪問し、首長に対して自治体クラウドの導入メリットや、オープンデータの具体的な活用方法等を説明し、好感触を得ている。従来のように、国が一方的に通達を発出して終わってしまうのではなく、自治体とコミュニケーションを取りつつ、人材面や財政面等の支援を含めた実践的な取り組みとしたい。

電子行政の推進で成果を挙げるためには、(1)各府省幹部(CIO、局長級)によるリーダーシップの発揮(2)投資対効果(ROI)や投資額への合理的根拠の明示(3)現状把握の徹底(4)国民視点での省庁横断ワンストップ・プッシュ型サービスの提供(5)BPRの障害となる組織・制度・ルールの壁の打破(6)標準化・共通化の徹底(7)適切な成果目標の設定、必要な取り組みと達成時期の明確化(8)マネジメント体制の確保(必要なドキュメントの整備・関係機関間の共有、3カ月ごとの政府CIOのレビュー、中核人材の人事ローテション上の配慮、プロジェクト通期での登用等)――を重視している。

これらの8つの視点を念頭に置きつつ、さらなる改革を進めていきたい。

【産業政策本部】

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