Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2016年12月15日 No.3297  「成長戦略の中核としてのクールジャパン政策」 -自民党の山本クールジャパン戦略推進特命委員長が講演/産業競争力強化委員会ジャパン・ブランド部会

講演する山本議員

経団連は1日、都内で産業競争力強化委員会ジャパン・ブランド部会(高藤悦弘部会長)を開催し、自由民主党の山本一太クールジャパン戦略推進特命委員長から、「成長戦略の中核としてのクールジャパン政策」について説明を聞くとともに意見交換を行った。説明の概要は次のとおり。

自民党のクールジャパン戦略推進特命委員会(以下、特命委員会)は、週に1回のペースで会合を開催し、新進気鋭のクリエイターやプロデューサーを交えての議論を重ねており、今年4月には、政府への提言を取りまとめた。クールジャパン政策は骨太の方針や日本再興戦略に盛り込まれ、成長戦略における主要な取り組みの1つに位置づけられたと考えている。

特命委員会では、クールジャパン戦略を強力に打ち出すため、5つのプロジェクトチーム(以下、PT)、「拠点構築PT」「地域発クールジャパン発掘PT」「人材育成PT」「コンテンツ産業振興PT」「推進のための新たな著作権検討PT」を設置している。

クールジャパン戦略は経済的な側面のみならず、文化的、外交的な側面もある。コンテンツや食、ファッションに加え、日本人の生き方や立ち居振る舞いなどもクールジャパンである。例えば、東日本大震災後に暴動が起こらなかったことが、世界中に日本人の規範意識を強く印象づけたが、日本には世界に誇れる文化がある。外国人が感じている日本の魅力を把握したうえで情報を発信していくことが重要である。

特に、日本食への海外からの関心は高く、本物を求める訪日客の増加や海外需要の獲得に向けた貢献が期待されている。加えて、ジャパン・ブランドの発信強化を担う人材を育成することが重要である。その際、米国大統領選挙でみられたように、SNSの影響力が強くなっていることから、既存のメディアに加えて、ネットメディアの効果的な活用を図ることも考えていく必要がある。

今後、産業界との意見交換を踏まえ、現場の声を政策にしっかり反映していくよう取り組んでいきたい。

【産業政策本部】