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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2017年2月9日 No.3303 程永華大使から中国経済の状況と日中経済協力の展望を聞く -中国委員会

経団連は1月25日、東京・大手町の経団連会館で中国委員会(友野宏委員長、野路國夫委員長)を開催し、程永華中華人民共和国駐日本国特命全権大使から、最近の中国経済の状況と日中間の経済協力の展望等を聞き、意見交換を行った。説明の概要は次のとおり。

■ 中国経済の状況

リーマンショック以降、全世界の経済成長に対する中国の寄与度は30%を超え、中国の政策や行動に対する注目が高まっている。2016年の実質経済成長率は6.7%であり、安定的に推移している。とりわけ消費支出が経済成長を牽引しているほか、ハイテク産業の成長や起業の急速な増加が新たな成長の原動力となっている。中国経済は中高速成長・ニューノーマルにシフトし、発展方式が大きく変化しているが、長期的に経済は好転するという基本的な方向は変わらず、世界経済の重要なエンジンとしての役割を果たしている。

■ 昨今の世界情勢

世界経済が成長の原動力を欠き、世界情勢の不確実性が高まるなか、保護主義が高まりをみせている。こうしたなかで、習近平国家主席が先日のダボス会議で講演したとおり、中国は確固たる姿勢で経済のグローバル化をリードしていく。世界各国が互恵的な関係のもとでグローバル化の利益を共有するための具体的な実践の1つが「一帯一路」であり、世界経済の振興に資するとともに、国際協力を深化するためのプラットフォームである。

■ 日中関係

日中両国は重要な隣国であり、各分野の交流や協力を通じ、相互の発展を促進するとともに、地域の発展と安定に重要な役割を果たしてきた。厳しい時期もあったが両国関係は改善の段階に入っている。昨年9月の習主席と安倍総理の首脳会談では「戦略的互恵関係」の理念のもと、グローバルな課題に関する協力を進めることで一致した。

両国は世界の発展・繁栄に向けて、貿易、投資、財政、金融などの分野において協力を強化するとともに、地域の安定と一体化を促進していくべきであり、今後地域において果たすべき役割について検討を進める必要がある。両国が共同で進める東アジア地域包括的経済連携(RCEP)は、ASEANが主導してルールをつくり、日本と中国がエンジンとなって発展させていくべきである。

日本企業には、(1)中国経済の構造転換をとらえた先端製造業やイノベーション主導型の発展戦略に適した市場の開拓(2)インフラ整備等の第三国市場における両国企業の協力(3)国交正常化45周年の機会をとらえた日中関係の発展に向けた積極的な協力――の3点をお願いしたい。また、日中経済協会・経団連・日本商工会議所の3団体合同訪中団や日中企業家および元政府高官対話に加え、今年は日中グリーンエキスポの開催が予定されるなど、経団連は日中関係の発展に重要な役割を果たしており、今後も協力をお願いしたい。周年事業については大使館としても密接に連携していく。

【国際協力本部】

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