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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2017年4月20日 No.3313 「日米経済関係の強靭化に向けた基本的考え方」を公表 -日米の課題や協力の方向性を提示

経団連は18日、「日米経済関係の強靱化に向けた基本的考え方」を公表した。経団連のアメリカ委員会では、米国新政権の発足を視野に、昨年夏以来、日米関係のあり方について検討を重ねてきた。提言は、来日中のペンス副大統領と経済界との懇談や来月に予定している同委員会の訪米ミッションなど米国の関係者との対話の機会に、日米関係の重要性や日本企業の米国経済への貢献を発信していく際の基本的な考え方を整理したもの。

提言ではまず、日米関係の重要性を強調したうえで、両国を取り巻く政治経済環境が大きく変化するなかで、複眼的・戦略的な対応が必要であることを指摘。そのうえで、2月の日米首脳会談で確認された揺るぎない同盟関係を基盤に、経済面においてより強靱な関係を構築していくべきとした。

1.両国経済の包摂的・持続的成長の必要性

日米経済関係をさらに高い水準に引き上げるためには、それぞれが包摂的で持続的な成長を実現することが前提であることを指摘した。

国内については、(1)最もビジネスの行いやすい事業・投資環境を目指して、国際的なイコールフッティングを確保する(2)経済連携協定や投資協定の推進など制度的な基盤を整備し、企業の国際展開を支え、海外市場の活力を取り込む――ことを求めた。

米国については、(1)構造的な格差是正への取り組みを強化し、産業構造の転換や国内投資を促進(2)社会の垂直的・水平的モビリティーを確保し、開かれた経済社会を維持(3)投資意欲につながる政策の透明性・安定性・予見可能性を確保(4)規制改革、法人税引き下げ、インフラ投資などの産業促進的政策を着実に実現――することへの期待を示した。

また対外的には、アジア太平洋地域に広がる自由貿易投資の枠組みを視野に入れた、対外通商政策の展開を求めている。

2.両国経済関係の一層の強靱化に向けた取り組み

日本企業の米国への直接投資が順調に拡大している(ストックで世界第2位、4110億ドル)こと、全米で84万人(間接を含めれば174万人、製造業では世界第1位の38万人)の雇用を創出していることを挙げ、日米経済は互いに重要な貿易・投資パートナーとして密接不可分の関係にあることを強調した。

そのうえで、日米経済関係をさらに強靱なものとしていくため、協力を推進すべき事項として、(1)グローバル・ガバナンスの強化に向けたリーダーシップの発揮(2)アジア太平洋地域における自由で開かれた貿易・投資ルールの形成(3)インフラ投資における協力(4)イノベーション創出に向けた協力(5)社会的課題の解決に向けた協力――の5点を挙げている。

3.経団連としての取り組み

日米パートナーシップの強靱化に向け、日米経済界が上記課題について認識を共有し、連携協力することで、両国政府の取り組みを促していくことの重要性を指摘した。

わが国経済界として、日本企業が引き続きより良い企業市民として、投資や雇用を通じた米国経済への貢献を継続できるよう、日米両国関係者へ働きかけを続けることを表明。ミッションの派遣、要人との意見交換、経済団体間の連携等を通じて、連邦・州レベルでの対話を実施し、交流と相互理解の進展に努めるとともに、日本企業の米国経済への貢献について戦略的に発信していくとした。

【国際経済本部】

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