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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2017年4月27日 No.3314 「証券取引等監視委員会 中期活動方針(第9期)」について聞く -金融・資本市場委員会資本市場部会

説明する佐々木氏

経団連は17日、東京・大手町の経団連会館で金融・資本市場委員会資本市場部会(岡田譲治部会長)を開催し、証券取引等監視委員会の佐々木清隆事務局長から、「証券取引等監視委員会中期活動方針(第9期)」について説明を聞くとともに意見交換を行った。説明の概要は次のとおり。

■ 今次活動方針の背景・特徴

昨年12月に新委員長・委員が就任し、9年ぶりに3委員が同時に交代するなか、第9期の証券取引等監視委員会(証券監視委)がスタートした。今年は証券監視委の設立25周年の節目に当たることから、従来にはなかったSWOT分析などの手法を取り入れ、今年1月に今後の新しいステージに対応した活動方針を策定している。

■ 証券監視委の使命(Mission)

証券監視委の使命として、従来「市場の公正性・透明性の確保および投資者保護」を掲げてきた。それに加え、調査・検査の仕事をするうえで視野が狭くなることがないよう、市場監視の最終的な目的を意識するために「資本市場の健全な発展への貢献」および「国民経済の持続的な成長への貢献」をあらためて明記することとした。

■ 証券監視委が目指す公正・透明な市場の姿(Vision)

「証券監視委が目指す公正・透明な市場の姿」とは何かを考えたときに、市場利用者によるルール順守と市場に対する信頼が重要となる。具体的に市場のプレーヤーごとにみると、(1)上場企業等による適正なディスクロージャー(2)市場仲介者による投資家のための公正・中立な行動(3)すべての市場利用者による自己規律(4)監督当局によるプロフェッショナルな監視メカニズム――が不可欠である。

■ 証券監視委における価値観(Value)

民間企業であれば社是や社訓を持っているが、証券監視委にはこれまで社是・社訓に当たるものがなかった。今回はじめて、(1)公正性(2)説明責任(3)将来を見据えたフォワード・ルッキングな視点(4)実効性および効率性(5)協働(6)最高水準の追求――を6つのValueとして構築した。これらを職員一人ひとりの仕事にいかに落とし込むかが重要であり、内部での個別案件の報告時に6つのValueに照らした自己評価をさせるなどの工夫をしている。

■ 環境分析・戦略目標(Strategic Objectives)・施策

証券監視委を取り巻く環境の分析等を踏まえ、「広く」「早く」「深く」の3つを市場監視の戦略目標とし、その達成のために5つの施策を掲げている。具体的には、検査・調査の入口における(1)内外環境を踏まえた情報力の強化、実施における(2)迅速かつ効率的な検査・調査の実施、出口における(3)深度ある分析の実施と市場規律強化に向けた取り組み、それらを支えるものとして(4)ITの活用および人材の育成(5)国内外の自主規制機関等との連携――である。

【経済基盤本部】

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