1. トップ
  2. Action(活動)
  3. 週刊 経団連タイムス
  4. 2017年7月20日 No.3324
  5. 「万博開催で日本にイノベーションを」

Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2017年7月20日 No.3324 「万博開催で日本にイノベーションを」 -松井大阪府知事が常任幹事会で講演

講演する松井大阪府知事

経団連は7月5日、東京・大手町の経団連会館で常任幹事会を開催し、松井一郎大阪府知事から「2025日本万国博覧会の誘致について」と題する講演を聞き、意見交換を行った。
講演の概要は次のとおり。

■ 万博の意義

万国博覧会は世界中の人々が参加する国家プロジェクトである。2種類ある国際博覧会のうち、大阪では最も規模の大きい「登録博覧会」の誘致を目指している。

万博がもたらすイノベーションは、2020年の東京オリンピック・パラリンピック後も成長を持続させる起爆剤になる。そのためにも万博を一過性のイベントにしてはいけない。日本・大阪ならイノベーションを創出し社会的課題を解決するような万博を行うことができるはずだ。

2025日本万国博覧会誘致委員会は17年3月に設立され、榊原会長が会長を務めている。官民が協力しオールジャパンで取り組む体制を整えており、今後は企業会員・個人会員の募集と拡大を目指す。

■ Society 5.0を前面に

国連が掲げる持続可能な開発目標(SDGs)を達成する社会が超スマート社会であり、超スマート社会に向けた経団連の取り組みがSociety 5.0である。誘致委員会でもSociety 5.0を重要な取り組みと位置づけ、博覧会国際事務局(BIE、パリ)でプレゼンテーションを行った。

大阪・神戸・京都にはライフサイエンス産業が集積しており、関西発の技術が発展途上国への支援に大いに貢献している。大阪万博では、世界的な課題を未来技術で解決することと、その力が大阪にあると示すことを目指している。大阪でのイノベーションの創出は関西経済の再生につながるだけでなく、日本の持続的成長にも寄与する。

健康と長寿を広い概念としてとらえ直すことで生まれた「いのち輝く未来社会のデザイン」というテーマは、ロセルタレスBIE事務局長からも「日本は技術を利用した生活の質的向上、健康・長寿の実現に取り組んでおり、今回も非常に良いテーマを選んだ」と高い評価を受けた。グローバルな課題の解決の先にある未来社会を、万博にて世界に発信したい。

■ 開催概要

開催期間は2025年5月3日から11月3日であり、2800万人から3000万人の入場者を想定している。会場の夢洲(ゆめしま)は100ヘクタールの利用を見込み、すでに整備された橋やトンネルで都市部と接続するほか、地下鉄の延伸も計画中である。

経済波及効果は1.9兆円と試算されており、関連する分野での市場の伸長も想定される。日本全体へと効果を波及させることにより、国全体の経済成長の牽引を目指す。

■ 誘致の取り組み

国、誘致委員会、国会議員連盟、企業で連携して誘致に取り組んでいく。在外公館を通じて各国へ働きかけを行っていくほか、企業の皆さまに対しては、(1)誘致委員会との連携 (2)企業間のパイプを活用した外国への働きかけ (3)東京での万博誘致PR・機運醸成――の3点をお願いしたい。

【総務本部】

「2017年7月20日 No.3324」一覧はこちら