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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2018年3月1日 No.3352 空き家対策・既存ストックの活用における政府の取り組みを聞く -都市・住宅政策委員会

経団連の都市・住宅政策委員会(宮本洋一委員長、菰田正信委員長)は2月13日、東京・大手町の経団連会館で会合を開催し、国土交通省住宅局の伊藤明子局長から、空き家対策・既存ストックの活用における政府の取り組みについて説明を聞いた。概要は次のとおり。

■ 空き家の現状と問題

わが国における空き家の総数は、この10年で1.2倍、20年で1.8倍に増加している。このなかで、賃貸や売却といった活用の意思が明確ではない「その他空き家」が特に問題であり、空き家全体の約4割を占めている。「その他空き家」率は、中国・四国地方、九州南側など、人口減少が進んでいる地域で特に増加している。

空き家の実態は多様であり、地域特性に応じた対応が求められる。例えば、豪雪地帯・過疎地域においては地域振興策との連携、郊外住宅団地では住み替え支援、密集市街地・中心市街地では、まちづくり施策との連携が必要となる。

■ 空き家対策

2015年5月26日に全面施行された「空家等対策の推進に関する特別措置法」に基づき、すでに447の市町村が「空家等対策計画」を策定し、管理不十分な「空家等」に対する助言や指導等が実施されている。また、勧告を受けた「特定空家等」が固定資産税等の住宅用地特例の対象から除外される措置や、相続人が空き家除却後の敷地等を19年末までに譲渡した場合、譲渡所得から3000万円を特別控除する制度も創設されている。

■ 既存ストックの活用

わが国における全住宅流通量に占める既存住宅の流通シェアは約15%であり、欧米諸国に比べると低い水準にある。既存住宅の流通は、住宅支出を抑えたい若年・子育て世帯や、住宅を適正な価格で売却したい高齢者にとって意義ある取り組みである。

そこで、既存住宅流通・リフォーム市場の活性化に向け、既存住宅の建物評価手法の改善、国の関与のもとで消費者が安心して購入できる物件に対し標章を付与する「安心R住宅」制度の取り組み、全国版空き家・空き地バンクの構築等の施策を実施している。

■ 最新の取り組み

その他、空き家等の問題に関して、以下のような取り組みを検討している。

  1. (1)建築基準制度の見直し
    空き家の利活用を進めるため、用途変更をしようとすると、建築基準法に適合させるための大規模な工事が必要となる場合がある。そこで、延焼防止性能の高い建築物の建ぺい率緩和、用途変更に伴う建築確認対象の見直し等について検討している。

  2. (2)所有者不明土地の利用
    所有者不明土地が増加するなか、その円滑な利用が課題となっている。 そこで、一定の所有者不明土地について、事業認定を受けた公共事業における収用手続の合理化・円滑化や、都道府県知事が公益性を確認した事業のために利用権を設定できる地域福利増進事業の創設等について検討している。

  3. (3)都市再生特別措置法等の改正
    本格的な人口減少が進むなか、全国的に空き地・空き家等が増加し、「都市のスポンジ化」(注)が課題となってきたため、低未利用土地の地権者と利用希望者を行政がコーディネートできる措置等を盛り込んだ法案が閣議決定された。

(注)都市のスポンジ化=低未利用地がスポンジの穴のように都市に散在し、なお増加を続けている状態

【産業政策本部】

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